コラム
2006年05月23日
小さい会社しか出来ないこと キャピタルペイント代表取締役・村上泰規氏
昨年9月、代表取締役社長に就任した。常務時代は、この先木工家具向けでは立ち行かなくなると、自ら建築用展開の陣頭に立った。かつて、油性、溶剤系が主流を占めていた木部用塗料市場に対し、水性タイプでの売り込みを図った。ドイツの環境対応の速さに感銘を受け、自社開発した水性2液ウレタン塗料を第1回ペイントショーで出展したこともあったが、売れなかった。そんな時代である。それでも水性の時代が来ると、頑なに貫いた。
その結果、シックハウスやシックスクールなどここ数年の環境気運の高まりが追い風となり、同社製品の需要は急速に高まる。2005年の決算では、建築分野の売上が木工関連の不振をカバーし、売上増に寄与するまでに成長した。
同社は自前の製造工場を持たない研究開発会社。社員15名の小世帯である。逆に、このことが多様性と機敏性に富んだ製品開発につながっている。10年前に発売した木部用難燃ウレタンクリヤー塗料「モーエンⅡ」もそのひとつ。「木は燃える。燃えるから使えないのなら、燃えなくすればいい」と開発の経緯を説明する。昨年は新たに水性タイプを開発。木建材がインテリアに使えるとあって、設計事務所の引き合いが増えているという。「コスト勝負は付加価値を失うだけ」とコスト競争を嫌い、付加価値による差別化を掲げる。
現在、同社の売上構成比は木工8割、建築2割。ただ利益においては、建築は3割に相当する。「実績が実績を呼ぶ」と、これまでに蒔いた種が結実しようとしている。
「リスクも気になるし、バランスが必要」と語るが、「小さい会社しか出来ないことも多くある」とポリシーは明解。(近藤)