コラム
2006年11月21日
自前の販促ツール武器に 渡辺塗装・渡辺泰宏氏
渡辺塗装(本社・京都市、社長・渡辺千秋氏)は大正10年に創業、今年で85年を迎える老舗塗装会社。伏見稲荷大社や上賀茂神社など京都を代表する寺社仏閣も手掛けた実績を持つ。「今でも現場でにかわを溶かしながら、塗ることがあります」と泰宏氏。次期3代目は老舗に甘んじることなく、新しいことに意欲を燃やしている。
かつては30名ほど在籍した職人も今は8名となり、時代の趨勢とともに変化を余儀なくされている。現在の受注構成は、ハウスメーカーなどの下請け仕事が5割、元請け5割。下請けに対して「物件数は変わらないが利益が減っている。大きい建物がなくなり、塗装面積が減っている」と乾式ボードの普及により、塗装の仕事量が減っていることも背景にある。元請け強化が課題。
営業活動の中心は近隣営業とホームページ。以前は新聞折込みも行ったが今は止め、顧客と直接関わりのある方法にシフトしている。塗り替え前の注意点を記した小冊子を作ったり、ニュースを配布したりとオリジナル性に富んだ営業ツール作りに工夫を凝らす。年末には顧客1件1件を回りカレンダーも配る。また4年前に開設したホームページで10件以上を受注。「今は1日1件は問い合わせがあります」と徐々に成果を結びつつある。
元請仕事で心がけていることはとの問いに「ある程度工期を長めに取るようにしています」とのこと。細部まで行き届いた仕事をしたいというのがその理由。クラックの補修や下地調整など塗装に入る前段階に時間を割くようにしている。施主には見えない所だが、良い塗装をすることで顧客との関係を長く築きたいとの思いが込められている。
数年前から泰宏氏は経営にも関与し、「今までと違うやり方をしないと仕事が確保できない」と、機能強化に努めている。今年初めには事務所を改修し、ショールームを開設。塗り板やパンフレットを並べ、商談スペースを設けた。「これからもっとうまく活用する方法を考えていかなくてはならない」と言うものの、独自の販促ツール、ホームページ、ショールームと自前の武器を増やし、飛躍を図ろうとしている。(近藤)