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コラム

2007年02月26日

市場を創る ペイントカラーに夢託す 安全塗料(東京)

(下地ペーパーを)張って塗る「ペインティングウォール」の実績は昨年1年間で約2万m2を超えた。主な施工対象は同社がアプローチしてきた積水ハウスの住宅展示場だが、「ぼちぼちオーナーからの受注が出始めた」(溝口一成社長)と手応えを感じつつある。閉まっていた扉が少し開き始めたようだ。
ここまでくるには10年近くの企業努力があった。自動車のメカニック出身の同氏にとって畑違いの塗料業界での戸惑いは大きかった。「これほど売ることにリスクのある商売はない」と回収問題がネックとなったが、塗料商売に希望が見えたのがペイントカラーの世界。「色を売るビジネスは限りなく可能性がある」と思えた。 しかし色を売るアプローチでは挫折の連続だった。コスト一辺倒になった市場にいくら口を極めてペイントカラーの素晴らしさを訴えても“のれんに腕押し”の日々が続く。そこである時期からターゲットを住宅展示場に絞り、売り込みを図る。ハウスメーカーであれば生活者であるユーザーに直結するチャンスが高いと踏んだためだ。
その期待は半分当たり、半分はずれた。「展示場に日参するうちに反応が出たのですが、なかなか採用までにはならない」とのジレンマ。デザイン担当者が関心を示しても、展示場のセールスマンで塗装が否定されてしまうのだ。ノルマのあるセールスでは手離れが最優先され、説明を要するアイテムである塗装は営業の邪魔との感覚が強い。
またハウスメーカー自体を動かすには住宅内装材であるボードとのジョイント部の問題があった。ボードは動くため、そのまま塗装すると割れなどの懸念がある。しかも壁紙と比べ施工性やコストでの格差が最大のネックとなった。
このため数年前から独自のツテで京都のペーパーメーカーを口説き、塗装下地ペーパー「ワンダーペーパー」を開発することになる。「いくら説明してもなかなかイエスと言ってもらえなかった」とふり返る。ペーパーメーカーにしても小ロット品を開発するリスクは大きい。その壁を突き崩したのが溝口社長の「ペイントカラーした壁を生活者が求めている」との熱意。
こうして張って塗るシステムが完成。確かに「ルナファーザー」という先行形態はあったが、開発した「ワンダーペーパー」はサスティナブルとペイントカラーのコンセプトに加え、施工性と品質にこだわり「十分差別化できる」と胸を張る。
その一方で新世代の若い設計士グループと接触し、高級マンションの内壁での「ペインティングウォール」の採用も積み上げてきた。内壁すべての壁をペイントウォールしたケースは国内物件ではレア。「30~40歳台の設計士と波長が合う。彼らのクリエイティブな能力をモチベートしていけば、ペイントカラーの世界が世の中に認知される可能性がある」と新たな挑戦が続く。
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