コラム
2007年04月19日
彩事記 良い流れ、良い回転にする 相信・代表取締役 伊集院均氏
今年、NGS(日本外壁仕上業協同組合連合会)の会長に就任した。業界に対する懸念は若年労働者不足で「人がいなくなるとサイディングなど他の乾式素材に置き換わられ、業界が廃れる」と危機感を持つ。
家業を手伝うため「13のときから現場に入って叩き上げてきた」苦労人。19歳でひとつ上の兄とともに会社を引き継いだが「日給500円の時分に金利だけで毎月10万」という父親が残した莫大な借財など常に逆境の中で耐え抜いてきた。
兄のオーストラリア移住に伴い、会社を買い取って経営者になったのが18年前。社員には「職人といえども、サラリーマンと同じように安定した生活を送らせたい」との思いから、有給休暇や厚生年金はもちろんのこと、保養所の完備、海外への社員旅行など福利厚生を充実。その雇用努力に対し国交省や東京都からも表彰された。「経理を見ている女房からは、人件費比率が高すぎると愚痴を言われる(笑)」が、自分が苦労してきた分「人をしっかりと育てたい」との思いが強い。「それを賄うため、いかに利益率の高い仕事を確保するかが経営者の仕事」と明解。
光触媒や遮熱・断熱塗装など新しい材料や工法にも早い時期から果敢に取り組み、これらの仕事は今や同社の収益を支える屋台骨として成長。「新しい材料はまず、自宅や事務所の壁に施工して効果を検証する」というように、何事に対しても実直に取り組む姿勢が仕事や人脈の幅を広げ成功へと導いてきた。
「良い流れ、良い回転にする」がモットー。逆境や困難など何事も真正面から受け止め、粘り強く正攻法で解決していくことが、やがて良い流れを生み出すという自身の経験から出てきた言葉だ。仕事も家庭もこの言葉を貫いてきた。
NGSでは人材育成や仕事の創出など自ら実践してきた経験を「同業者の良い見本になるように生かしたい」と考えている。映像を使った若手育成の教材や時代を先取りした材料の講習会など、いくつかのアイデアを温めている。
「子供の頃貧乏で玩具を与えられなかったから自然と覚えた」特技の「切り絵」(写真)は、一流ホテルのイベントからもオファーがあるプロの腕前。(泉)