コラム
2007年07月10日
高品質支える現場主義 久保井塗装工業所(埼玉県狭山市) 代表取締役 窪井要氏
同社は自動車や家電製品などの高品質プラスチック塗装を請け負っており、社長自ら現場に入り作業を行ってきた。現場を尊重する社風は工場内も変える。FMラジオが流れ、入ってすぐに待合いスペース(写真)に目が止まる。シンク、冷蔵庫、食器棚に囲まれ、カウンターに長椅子が並ぶ雰囲気はさながら喫茶店のよう。こうした作業環境が従業員のコミュニケーションづくりを効果的に浸透させている。 以前は「外出せずにずっと社内で作業していた」“職人社長”であったが、ここ数年は業容拡充に伴い社外に出ることも増えてきた。現在は4社でグループを組んで仕事を請け負う事業も展開している。「仕事の依頼に対してNOと言いたくなかった。しかし、自社で手一杯のため断ることが多かった」のがきっかけ。
あるとき、当時知り合いの会社に外注を出したところすべて不良品、ということがあった。そこで窪井社長は信頼・提携できる業者を探すため、さまざまな工場に行って何人もの社長と会った。その結果、「お互いに得意な分野を生かすことができるシステム」を構築。単なる仲間意識の協力関係ではなく、提携会社として契約書を交わし責任を持って高品質製品を納入するシステムだ。同社はISO9001品質マネジメントシステムを取得。こうしたシステムが「どっぷりとした下請け」からの脱却につながるという。
窪井社長は中学校で講演する機会があり、大人の責任の重大さを再認識したという。「環境で子供たちに対する我々の持っている責任は大きい。彼らに良い形でたすきを渡したい」。そして、「将来は久保井塗装工業所で働きたいと言ってくれた子供もいた。恥ずかしくない会社でいなければ」とうれしそう。(桜井)