コラム
2007年08月22日
逆境ハネ返す野武士集団 大井産業社長 花村禎三氏
大手化学メーカーを停年退職後、好きな山歩きができると思ったのもつかの間、父親が創業した会社に呼び戻され、何も分からないままに社長を勤めることに-。5年前のこと。
しかし、会社の実態は予想を超えるものがあったようだ。大企業とはまったく違う中小企業の体質に驚いたわけではない。むしろ仕事の進め方など企業として基本となる要素があいまいであったり、ルール化されていない点にア然とする。
まずトップになって着手したのがイントラネットの整備。社員それぞれに「マイパソコン」を配備しネットワーク化、分散していた情報管理を一元化した。ベテラン社員からは抵抗もあったが、その効果が実感できることで、すっかり定着した。
「情報の共有化メリットは大きい。日報など、社員の活動記録から会社の動きまで、リアルタイムで約80名の社員のアクセスが可能。お客様の要望に対し、全社員が知恵を出すようになった」と喜ぶ。
事実、拠点レベルで解決できないテーマも、かつてはうやむやに終わることが目立ったが、社員一人ひとりのノウハウ(強み)が補完されるようになり、社員の顧客への対応が積極的になっている。「かつては、こんなことができないかと顧客に言われても、できませんとも言えず、あいまいにしていた回答が、全員力で必ず解決の途はあるとの自信から、営業のスタイルがポジティブになってきた」と手応えを感じている。
同社は毎年4月に「大の市」を開催しているが、企画から運営まで社員がすべて行っている。「私は一切口を出さない。オープニングあいさつをするだけ」と苦笑する。このイベントが社員のモラルアップに通じている。単なる販促のためというより、家族を連れてきて働いている自分を見せる良い機会でもある。
来場者は九州一円はもとより、山口県内からも来るが、初めての客は「大井産業がこんな大きい会社とは思っていなかった」との声。実力を誇示する場としても効果的。
「市場は厳しくなる一方だが、その中にあってマイナスをプラスにするくらいの元気のある会社にしたい。ウチは野武士集団といわれているのだから。それには顧客の抱えている現実に対し、常に何かできることを考える力を身に付けることがスタートライン」という。(芹沢)
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