コラム
2010年07月12日
彩事記 厳しいからこそ成長できる 荻野化成 代表取締役・荻野圭輔氏
31歳の若社長が誕生した。年齢の割にキャリアが長く、本人の自覚度が高いせいか、どっしりとした落ち着きを見せる。これは決して外見だけではない。
「オヤジの背中を見て育ってきた」との言葉通り、塗料販売業トップの厳しさ、そして楽しさ(?)・やりがいは腹に十分落とし込んでいる。次期社長との思いはなんと中学時代から。兄が医者になる方向を決めていたせいで、自ずと「自分が継ぐしかない」と思ったそうだ。
ところで現会長(荻野賢二氏)は34歳で独立、横須賀の地でゼロベースから有力ディーラーにのし上がってきた。会長は「実務はすべて社長に移譲し、少し時間の余裕ができれば事業の方向性を含めじっくり考えたい」と話す。とはいえ安易に経営に介入するつもりはないと自戒する。
ひとつの反省がある。「これまですべての決裁権を私に集中してきた。これではやる気のある社員の自主性を阻害する。新社長には社員それぞれの能力を伸ばす経営を考えてほしい」と希望する。
その辺は新社長もかなり自覚的。「(父から)まだまだ学ぶところはたくさんありますが、自分の経営をしていきたい」と独自性にこだわる。塗料販売店の方向が不透明と水を向けると――。
「塗料を軸として扱う商材・分野を広げていけば、いくらでも成長の余地はある。そのために社員と一緒になって勉強していくことが大事。経営環境は厳しいが、これはいつの時代も同じ。むしろ逆風に対し正面から向き合うこと。そしてユーザーニーズがシビアになっている分、我々の提供する価値ある情報に関心を示してくれる」。
事業領域をクロスオーバーし、提案型の情報力ある専門商社とのスタンスがビジョンのようだ。