コラム
2011年06月17日
彩事記 塗装業のプライドを胸に ロイヤルコート 代表取締役・小林勝彦氏
リーマンショック以降、仕事量は減っていたが、それほどの危機感を持ってはいなかった。「今を凌げば大丈夫。そのうち上向くはず」と楽観視していた。しかし、半年を過ぎてもそれは戻らず、気が付いたら4割までの大幅減に陥った。
それでも動かなかった。「値段を下げてまで仕事を取っても意味がない」との信念で攻めるタイミングを見計らっていた。そして景気回復の兆しが見えたところで一気に攻勢に出る。電話帳を手に片っ端から営業をかけるローラー戦略を実施。
その戦略が奏功した。高さ3mの乾燥炉を持ち、大物の塗装ができる同社に引き合いが強まる。「これまでの経験やノウハウがあり大物対応力はどこにも負けない」と自社の強みを分析する。その上既存顧客も回復し出し、HPや紹介などからも受注が舞い込んだ。
小林社長のキャラクターがうかがえるこんなエピソードがある。小林社長は高級外車を購入した。この世界ではお客より高い車に乗ってはいけないというのが暗黙の了解。そのため「塗装屋のくせに生意気だ」と陰口を叩かれたことも。それでもかまわず高級外車で顧客のところに乗り付けた。「塗装はなくてはならない基盤産業の1つ。お客さんに対してもあくまでもパートナーの立場のはず」。塗装業者としてのプライドを持つ小林社長の1つのアピールだ。下に扱われる理由はない。塗装のプロとして顧客にも接すればよい。
現在は日本工業塗装協同組合連合会と東京工業塗装協同組合の理事を務める。「業界が一枚岩になって地位向上に向けた活動をしなければだめだ」と組合活動に奔走する。
そんな小林社長の現在の愛車は国産のハイブリッド車。顧客に認めさせる段階はもう過ぎた。
![]()