コラム
2011年07月01日
塗滴 2011.05.25 胸が痛む光景が目に飛び込み・・・
胸が痛む光景が目に飛び込み、何か手助けできないかと考えた人も多いだろう。津波の後の瓦礫の山。その茶褐色の世界は生命を感じさせない。特に三陸の美しい風景を一変させた今回の災害は色彩に対して思いを深めることとなった。塗料は自然の色彩とは違う人工色。当然のことながら自然色に対し違和感もある。カラフルさ、明るさが追求され、自然の持つ色の世界とは反対方向を目指してきた。塗料の色ではないが、破損した屋根のブルーシートのむなしい明るいトーンが目を刺激する。色彩産業を標榜する塗料業界はもう一度原点に立ち帰る必要があるのではないか。謙虚に自然の持つ色合いに学ぶところが出発点。意匠の新規性を追うあまり、カラフルな人工色を氾濫させてきた責任の一端がある。景観については都市部であれもっと本物の色を提起していく役割が求められる。本物の色とは、例えば地元にある自然の素材の色で景観が形成されていたような風土色が参考になる。人工色によって全国が画一化された現状に対しても、色彩提供産業として問題を提起し、リーダーシップをとっていく時代に入っていると認識すべきであろう。ペイントカラーには色を抑制する効果もあることを直視し、万人に共感を呼ぶローカルカラー創造への寄与を働きかけたい(M)