コラム
2011年08月10日
塗滴 2011.06.22 サプライチェーンの問題で悩ましいのは・・・
サプライチェーンの問題で悩ましいのは、塗料原材料が多岐にわたること。ほんの少量の原料のショートによっても供給ができなくなる態勢が今回の震災で露呈した。MEK、マイカ顔料はその象徴に過ぎない。原料の種類の増大はユーザーの求める性能を引き出すため、各種の添加剤や加工原料の使用が増えているからだ。これは反面、塗料技術のコアとなる樹脂合成で革新がほとんどなされていないことの証明ともいえる。塗料樹脂(バインダー)は購買するものと自社で設計し内製化するものの2タイプがある。メーカーが内製化にこだわるのは「バインダーこそが品質・性能の差別化の基本」との発想があるからだ。確かにこれは真実である。しかし革新的な樹脂を合成するには多くの時間とコストがかかる。現実には既存の樹脂合成技術をモディファイ(改良)する方向が主流。大手メーカーには革新性のあるスタンダード樹脂を開発し、そこから多用途への波及との指向も見られるが、そんなに簡単なことではない。その一方で購買樹脂のパフォーマンスを上げるため、いろいろな添加剤を加えることになり、結果的に本末転倒することにもなる。市場の現実は技術革新の方向とは別に、コンセプトやプロモーションといった方向での差別化も強まっている。複眼的な見方が必要になる。(M)