2015/07/30 15:17

モンゴルと日本をつなぐ 新生興業  代表取締役 上間エバ氏


20150701-5-2.JPG 愛知県大府市で自動車樹脂部品をメインに塗装している新生興業。社員8人体制の社長を務めるのはモンゴル出身の上間エバ氏だ。
 日本に来たのは12年前。大学卒業後に勤めたモンゴルの銀行は数カ月で辞めた。上間社長は「自分で商売を始めたいと考え、そのための資金を貯めるために日本で働こうと思った」と振り返る。当初は3年間のつもりが、あっという間に12年間も滞在し、しかも会社の社長として忙しい日々を送っている。
 最初に勤めた成型加工会社では残業も自ら申し出るほど懸命に働いた。その真面目な姿勢が上司からも認められて責任ある仕事を任されるまでになった。そこで知り合った日本人女性の今の奥さんと結婚したのが8年前。奥さんの父親が新生興業の社長で、後継者が決まっていなかった関係もあり、エバ氏は塗装の世界に入った。そこからは自らガンを持ち塗装を習練する日々が続いた。


 そして5年前に社長に就任したことで経営者としての奮闘が始まる。対外的な営業を担うとともに、社内的には塗装品質の向上に取り組んだ。「社長になってからは毎日が心配。仕事を取らなければならないし、社長として人を使うことも学ばなければならない」とエバ氏。塗装品質に関しても、「お客さんが求めるレベルがその製品の品質」との考えで厳しい自動車部品の品質に取り組む。人材育成では艶具合を数値化したり、理論的に塗装条件を導いたりしながら品質の向上と均一化を図ってきた。その成果が現れており、「安心はしないが一時に比べると安定してきた」と手応えを掴む。


 来日当初は本を教材に日本語の勉強に励んだ。「本に書かれている言葉と話し言葉の使い分けが分からず周りの人に笑われていました」と懐かしむ。今では日本人に間違われることもしばしば。今年は初めてモンゴルから両親を呼んで日本を案内した。2人の息子を持つ41歳のモンゴル人社長は「将来的には仕事を通してモンゴルと日本をつなぎたい」と夢を語る。