2016/12/26 11:29

塗滴2016.12.14 料理人の道具と聞いて真っ先に・・・

料理人の道具と聞いて真っ先に思い浮かぶのが包丁とするなら、塗装職人のそれはやはり刷毛だろう。どちらも職人の大事な道具にかわりはないが、その境遇には違いが出てきている▲1つめは道具そのものの変化。それまで刷毛で納めていた塗装仕事を、早いから、便利だからとローラーを使うことが当たり前になってきた。例えれば包丁が料理鋏に取って代わられるようなもの▲2つめは「使い捨て」。量販店で購入したような安価な刷毛を使い捨てるようになって久しい。いくら下っ端の料理人でも100円ショップの包丁を使い捨てしているような人はまずいない▲道具は「育てる」ものだという。包丁に例えるなら、使っては研ぎ、使っては研ぎを繰り返し最高のパフォーマンスを発揮するよう仕立て上げていくこと▲先日、大塚刷毛の秋田工場を見学してきた塗装業の親方に話を聞いた。刷毛製造に向き合う職人(女性)の情熱、こだわり、誇りに塗装職人としての基本を再認識させられたという。「普段、何気に使っている刷毛への見方が180度変わった。刷毛は塗装職人のプライドそのもの」と親方▲刷毛が軽んじられてきたのは、作業性という"迎合"で塗料開発が進められてきたことと無縁ではない。職人と道具が織りなす目に見えない価値こそ成熟市場の強みなのに(K)