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インタビュー

2008年01月15日

中国、インドではニュートラル色が主流、進む多様性

BASFコーティングス・アジアパシフィックカラーデザインセンター
チーフカラーデザイナー 松原千春 さん

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世界の自動車産業の特徴は車種と塗色の高度な多様性にあり、各国には独特の嗜好が存在している。日本とともに、急成長し続ける中国及びインドの自動車市場における色の好みについて、BASFコーティングスのデザイナー・松原千春氏が検証した。また、同社におけるカラーデザインとカラー開発について語った。
中国、インド、日本市場における自動車の種類や塗色の特徴は。

消費者がどの塗色を選択するかはどんな車種を選ぶかに密接に関わっています。車が単なる輸送手段であるのか、ステータスシンボルなのか、あるいは個人のライフスタイルを表すものなのかなど人々が車に期待するものは市場によって異なり、それが特定の車種や塗色の好みとして現れます。 例えば中国では単なる輸送手段として活用されているワンボックスなどの商用車の比率がかなり多く見られます。従って黒、白、シルバー、グレーなどのニュートラルな色の商用車にきわめて高い需要があります。しかし経済が飛躍的に成長し、人々が社会的ステータスを求めるようになったことで、オーナーの富を象徴するものとして、黒を主流とする高級セダンの人気も大きく高まっています。 インドでは自家用車としての車を求める消費者が増えるに従って、コンパクトカーに対する需要が大きく高まっています。また自動車にステータスシンボルとしての役割もあるため、徐々に大型のセダンが増えることも予想されます。より多様な車種が求められるようになってきていることは、市場が拡大していることを表しています。日本では車の所有者は自動車を個性を表現するものであると見なしています。その結果、車種や塗色の種類が多くどちらも消費者個人のライフスタイル追求を反映したものとなっています。

日本、中国、インドでの塗色のトレンドは。

日本では90年代からはミニバン、SUV、ワンボックスカーなどさまざまな新しい車種が市場に登場するとともに、目を引くようなクリエイティブな塗色が数多く生まれました。例えばピンクは小型車向けの塗色として人気色になっています。他の市場でこれほどピンクが使われている例はありません。日本は多様な塗色が最も受け入れられやすい市場のひとつなのです。今日では見る角度によって色が変化する塗装やリキッドメタルなどのユニークな効果やテクスチャーが日本オリジナルの塗色の人気を更に高めています。 中国において、きわめて人気の高い高級セダンではほとんど例外なく黒、シルバー、白などのニュートラルで明快な色が採用されています。黒が人気を集める理由のひとつは消費者が自分の車にフォーマルで威厳のある高級感を求めていることにあります。全体として、グリーン、イエロー、赤などの鮮やかな色は中国ではまだ少数派です。これらのことから、高級車と小型車の両方について、近い将来には外国車の影響を受けた、落ち着いた中間色が増えると予想しています。 インドでもいくつかの点で中国と似通った展開が見られます。ニュートラルな色を好むグローバルなトレンドはここにも存在します。しかし中国と比べた場合、黒っぽい色よりも色味のあるシルバーが好まれる傾向にあります。全体としては、ライトブルーなどのかなり明るめの色がインドでは好まれています。ここでもより大型の自動車が増えると予想されるため、ベージュやライトグレーなどのエレガントで高級感のある色が近い将来に増加すると考えられます。インドでは車種のカテゴリーとともに色やテクスチャーも多様化すると予想されます。

色のアイデアはどのように生み出されますか。

カラーデザインの最も基本的な要素のひとつにカラートレンドの予測があり、これは自動車の塗色に限らずすべてのものが対象となります。色のアイデアは生活のあらゆる面をもとにして生み出されます。これには人々のライフスタイル、美容やファッションに対するセンス、物質的な価値観や社会的な価値観が含まれます。私たちは『時代のムード』をたどろうとしているとも言えます。商品、店舗、建築、音楽、見本市、デザイン展、アートなど生活のすべての分野から発想を得ています。自動車の塗色やテクスチャーを含めたすべてのデザイン作業にとっては人々のライフスタイルがそのすべての源泉であり、従ってそれを幅広く理解することが極めて重要となります。

御社の強みは何ですか。

当社は欧州、NAFTA、アジア太平洋という3つの主要市場に配置されたデザイナーと技術チームによる強力なグローバルネットワークを持っています。地域ごとの市場のニーズをはじめとして、アイデアや情報を常に国境を越えてやりとりしています。従って、地域のニーズに関する知識だけでなく共有されたグローバルな知識も提供することができるため、どの地域においてもお客様からの要求に直ちに応えることができます。このレベルまでグローバルなプレゼンスを備えている企業は他にないのではないでしょうか。お客様である自動車メーカーは世界中に地域ごとの生産拠点を持ち、世界の動向に加えて市場ごとの状況を知りたいと考えているため、このことは大きな優位性となります。

新色コレクション作成で苦労する点は何ですか。

最も難しいことのひとつは、考えついた色を実際の塗料で表すことです。心の中で作り出したイメージを工場の塗装ラインに適した塗料で具現化することは本当に難しい作業です。色の開発においては、素材の特性、塗装時の条件、環境面での規制などさまざまな技術的要因が影響します。しかしながら、特にユニークな効果やテクスチャーなど新しいアイデアを含む色の提案に対して、自動車メーカーの期待も高まってきています。従って自動車メーカー側でも塗装工程における負荷や新しい塗装方法が必要な塗色の採用のために、生産プロセスの変更を受け入れるようになってきています。もちろんその結果、完成した色が高品質で高い魅力がなければなりません。

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