インタビュー
2008年02月25日
インターフェイスが活性化してきた
BASFコーティングス
アジア・パシフィック地域統括本部長 青木睦郎
氏
日本市場に比べ、アジア・パシフィック地域の新興国の変化スピードが加速されていますから、現地にフォーカスした対応力が重要になっていると思います。ローカル市場に俊敏な対応を心がけているところです。
世界3極でR&D(研究・開発)を行っているのはBASFのみで、このスタンスは基軸でありいささかも変わりありません。特にここ2年強の3極連携のノウハウを踏まえ、新興国への技術支援についてもより円滑にいくよう努力してきました。実際のところ日本発の開発がヨーロッパ、アジア・パシフィックに転移されるケースも出ており、日本におけるR&Dを更に拡充し、3極R&D体制のレベルアップを図りたい。
アジア・パシフィック地域では現在、中国、インドでR&Dの充実を行っています。現地でのR&D人材の育成を加速推進しR&D能力の強化をすることで技術転移のスピードをアップするばかりでなく、3極とローカル市場とを結ぶより緊密なR&Dグローバルネットワークの構築が可能になると考えています。
BASFは総合化学メーカーとして基礎技術からアプリケーションまで幅広い事業領域を有しており、川下としてのコーティングを展開する上で優位性があります。例えば自動車に使われるプラスチックス素材やその他の化学品において、さまざまなBASFグループで供給している製品が使われており、その中には塗料との関連性があると考えられる製品も含まれています。こうしたスタンスはワンゲートでお客様のニーズに応えられるという利点がありますし、R&Dを中核としたBASFのブランド力を前面に出した展開がますます重要になってきたと認識しています。
日本に2拠点、中国とインドにそれぞれ1拠点です。中国においては進出が早かったので地の利があり、ロジスティクスの面では充実しています。インドはBASFのサイト内にあり、マンガロールで自動車用及び工業用の生産が行われ、供給に不安はありません。今後の課題としてはアセアン各国での足場を固めることにあると思います。
日本から進出されているユーザーは国内と同じ品質・サービスを望まれ、これに着実に対応していくことはもちろんですが、ローカルニーズに焦点を当てていくことが大切になります。技術のみでなくサービスの在り方を向上させていく必要があります。このためアジア・パシフィックのBASFコーティングスグループのスタッフは、定期的に会議の場を持ち情報交換を行って意思の統一を図っています。ITを通じての情報共有化とは別に、顔の見えるチームビルディングの面で効果が上がってきています。組織、それを支える人材が着実に育ちつつあります。加えて技術やセールス面のハイブリッド化がパワーになってきています。BASFのアジア・パシフィック体制が急速にできあがってきて、これが競争力の源泉となります。
コーティング分野では分からない、知ることのできない業界の情報があったとします。従来は部署ごとにタテ割り意識があったのですが、これが改善されており、現在では最も大切な情報をリアルタイムで共有化できる。例えば環境対応にしてもコーティングの知見だけでは限界がありますが、ネットワークをうまく活用することでBASFとしてのトータルソリューションが提案でき、そのアイデアが次につながり、新たなビジネスを創造するパターンが実際に行われています。
日本のユーザーのテーマをヨーロッパで開発している例があり、3極間でテーマを使い分ける、融合と独自性をうまくミックスした方向。日本のR&Dは独自のプロセスを持っていますから、それを消し去るのではなく、BASFグループのR&Dの路線に統合していくことで、他にはないハイブリッド技術が創出できてくる。こうした方向が3極でR&Dを同時進行させていく強みになってくることは確実です。
やはり我々はBASFというブランド力がありますし、それとグローバル展開での経験の差で対抗できると考えています。アジア・パシフィック地域でローカル市場から真の意味でグローバル企業と認知される上では、むしろ我々に優位性があります。