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インタビュー

2008年03月21日

心と心つなぐ感動バネに(内装マーケット特集2008から)

カラープレビュー
代表 秋山千恵美 さん

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インテリア業界でのカラープランナーとしての知名度ではトップであろう。センスと実力、そしてペイントの知識は凡百のプランナーを寄せつけない。仕事の枠もペイントカラーを超えたクロスオーバー領域に広がっている。とはいえ自らの原点は"感動の共有化"にあるとブレることはない。色彩を通じたコミュニケーションはビジネスの水準を超えた人と人との心をつなぐことが分かっているからだ。
状況が大きく変化していますが。

最近ではクライアントのほぼ半分の方から色彩は大事、重要であるという形で声がかかります。私が色彩の仕事を始めた当時とは全く違ってきています。その当時はペイントとカラーが結びつくと思っている人は塗料業界内でも外部でも本当に少数派でしたから、一層感慨深いものがあります。

ここまでこれた要因はなんですか。

私は塗料屋の女房として経理の手伝いなどから仕事に入ったわけですけど、主人である秋山(秋山塗料社長)もこの仕事の将来が見えないことと、私も含め社員のやりがいがほとんどないといった実態に心からどうしようかと思っていました。そんな中、米国や英国のペイントの売場を視察したときのカルチャーショック。それは一般のお客様が楽しそうにペイントを選び、店員がインテリアのアドバイスを当然のようにしている風景でした。色を選べることは感動につながるとシンプルに感動しましたね。

試行錯誤もあったようですが。

米国のペイントメーカーの色見本帳を持って設計事務所に訪問するなど、考えられることは何でもしました。カラーに関するセミナーにも何度か出席しましたが、いまひとつピンとくるものがなかった。結局カラーツールにしても自分で作るしかないと思い、実際作ってみました。基本的にペイントカラーの価値を認めてもらうには、クロスにはないカラーバリエーションとテイスト、質感をダイレクトに伝えなければ壁は突破できないと考え、カラーギャラリーの開設につながるわけです。

ペイントカラー専門のショールームとしてはたぶん国内初の挑戦でしたね。

小さいスペースでしたが、逆に小スペースを最大限利用するにはどうすればいいかに知恵を絞りました。まず実際のペイントカラーの壁を露出させるため、遠近法で壁とドアを二重に作り、塗り壁のカラー変化を実感できるようにしました。それと同時に最もこだわったのはペイント缶を置かないということです。商品を売る発想を断ち切ることで新しい色彩ビジネスのコンセプトを明解にしたかったのです。

カラーワークスとは別にカラープレビューを立ち上げていますね。

カラーワークスはあくまでも輸入塗料(シャーウィン・ウィリアムズ、ファロー&ボール)やHIPの販促プロモーションをしていく会社です。その展開の中でどうしてもその枠の中に収まりきらない仕事が入ってきます。コンサルティングばかりでなく、プロモーションのカラーツールの開発などいろいろですが、そうした仕事にきちんと対応するためにカラープレビューは必要なのです。

最近のお仕事の傾向は。

3年前に知り合った方から会社の社員食堂のカラープランニングの依頼がありました。プランニングの理由は、そこは酒造会社なのですが、日本酒の伸び悩みなどで会社に元気がない。社員の集まる食堂をきれいにして活性化につなげたいというものでした。そこで全社員を集めてもらって、どんな食堂にしたいかイメージを語ってもらいました。意見は千差万別でしたが、人の温もりを色で考えてほしいという方向に集約できることが分かりました。プロモーションで大切なことは意見を聞くことです。面白いことですが、色彩のことを話し始めると人は元気になります。イメージがふくらんで会話が活発になり、そこに連帯感が生まれるからだと思います。

とても興味深い事例ですね。

色を選ぶことへの抵抗を口にされる向きもありますが、それは一緒になって作り込むプロセスを無視しているからだと思います。生活者を含めクライアントは顕在的にも潜在的にも色への嗜好を必ず持っており、色を選ぶステージを提供できればコミュニケーションが始まり、そこからイメージが広がり、色を基点としたテーマが見えてきます。酒造会社の例では食堂から本社のエントランス、更には色彩を使った販促活動へと拡大。私がこの仕事でとてもうれしかったことは食堂のおばさんから『仕事をしていて楽しくなった』と言われたことです。

まさに感動の共有化ですね。

色彩はサインでもありコトバでもあり、心と色との関係は相関してくるものです。色を工夫することでビジネスの次元が大きく変化します。小さい事例ですが、パン屋さんが子供の好きなレッドを使うために菓子パンにレッドチェリーをのせところ、以前の何倍も売れたなど、色彩はダイレクトにアピールする要素なのです。

これからのお仕事の方向は。

カラーワークスの社員が成長してきていますので、私はプレビューの仕事の比重を高めたいと思います。私の原点である色彩を通じて感動を共有化するビジネスの世界は未開拓ですし、ペイントカラーの魅力を更に認知してもらうためには、もっと広い世界に出ていく必要性を感じているからです。

ありがとうございました。

◇プロフィール
「塗料屋の女房」(本人の弁)から独学でカラープランナーに。15年前、ペイントカラーには人を感動させる力があると確信したときがスタート。"感動の共有化"と"いち主婦の視点"から独自のカラープランニングを展開する。カラーワークスのオリジナルインテリアペイント(HIP)の設計からカラースキーム、各種カラーツールの開発、カラーコンサルタントなど、色彩を通じた仕事はペイントの世界を超えたクロスオーバーの領域へ。米国のカラーマーケティンググループのアジア地域の有力メンバーでもある。

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