インタビュー
2008年05月27日
設備投資が軟調、景気は踊り場に マーケティングを重視した市場展開
ランズバーグ・インダストリー
社長 木下真生
氏
米国に端を発したサブプライムローンの問題、円高ドル安、更には株式の低迷など懸念材料は多い。特に円高ドル安は対米輸出産業にとって厳しい環境にあり、景気のマインドに水を差しかねない。既に自動車関連は今期に予定していた設備投資を先送りする方向にあるようだ。この影響は今後いろんな形で出てくるだろう。 今期(11月決算)、前半の売上高は昨年に比べると5ポイントほど下回っている。後半の見通しも夏場までは見込みが立っているものの、秋口からは不透明で先が読めない。今期は厳しい状況を予想している。
ここ数年の設備投資の傾向を見ると溶剤塗装を全く新規に導入するケースは一部の例外を除いてやはり少なくなってきている。ほとんどのユーザーが水系塗装、粉体塗装を検討している。実際の採用においては粉体塗装を導入するケースが予想に反して増えてきている。やはり管理のしやすさが大きな要因と思われる。当社でいうと透明のプラスチックブース(ダイヤモンドブース)の引き合いが増えている。 一方水系塗装の引き合いもそれなりに活発であり、こう見るとやはりユーザーは被塗物、自己技術経験などによって粉体に行くか、水系に行くか、はたまた溶剤を更に工夫してVOC対策しながら行くか、という方向を決めているように思える。 ここ2~3年の間に立ち上げた大手ユーザーの水系ラインには当社の機器(アクアブロック)が採用されており、水系塗装の技術的なノウハウは蓄積できた。水系、粉体ともに静電塗装のランズバーグの認知は高まっており、手応えを感じている。
中国に関してはこれまで溶剤の静電塗装機(ランズバーグ事業部)及びスプレーガン(デビルビス事業部)を中心に代理店を通して販売を行ってきた。昨年、親会社のITWが現地法人・FESを設立。マーケティングを中心に市場対応を進めている。当社としてはこれまでの販売網を生かすとともに、日系メーカーへのフォローを含めた製品供給をFESに行っている。FESは本国の米国、英国からも製品を引くことができるので、市場対応としてはニーズに適ったものが供給できる体制になっている。 タイ、マレーシア、ベトナムなどの東南アジアのマーケットについては、代理店を使っての販売活動を行っている。注目されているインドは中国同様にITWが現地法人を設立してマーケット対応を進めていくと思う。その際には、日系メーカーへのアプローチを含めたフォロー及び製品供給は当社が行っていくことになる。
VOC、CO2などの環境問題から水系、粉体へのトレンドは更に強まると思う。同時にエネルギー効率が求められてくる。いかに効率のいい機器を供給するか。水系では間接帯電方式のアクアベル、アクアリングを更に進化させ、使いやすいものにしていく。 また実績が高まっている直接帯電方式のアクアブロックマークⅡのバージョンアップを進めている。先に述べたように水系塗装の技術的なノウハウは蓄積できた。これをベースに更なる改良・改善を図っていく方向だ。 粉体塗装においては新タイプのパウダーセンターがゲマ社で開発され、供給系の清掃がワンタッチで行えるようになった。これも自動化のトレンドの中で採用が高まっていくと判断している」 「溶剤塗装に関しては、塗料供給の経路の短縮化を進めており、これによって洗浄の溶剤使用量を減らすとともに作業性が高まる。更に2液タイプの機器のラインアップ強化を図る。米国において開発を行っており、国内に持ち込んで、アレンジして供給していく方針だ。
1年間使用して頂いたユーザーにアンケートをお願いしている。いま回収を行っている最中であるが、非常にいい評価を頂いている。これを機にオートガンにも適用していく考えだ。特にロボット塗装の場合、軽量・コンパクトなガンは負荷がかからず、スムーズな塗装が可能になるとともに、耐用年数を延ばせるといったメリットもある。日本発の開発製品として海外でも実績を高めていきたい。 また、一般スプレーガンについては販売網の再構築を図り、セレクトディストリビューターとともにマーケティングを行い、共同歩調をとりながらシェアアップを図っていく。そのための意見交換を図るなど目的を明確にし、開発と営業が一体となって対応していく。特に汎用製品はマーケティングを重視し、ユーザーの不満に耳を傾け、解消していく努力が重要だ。モノつくりのカギは現場にある。