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インタビュー

2008年07月14日

環境対応商品の開発に注力する 世界シェアの拡大に向け全包囲網

アネスト岩田
社長 壷田貴弘 氏

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前期のアネスト岩田の業績は6期連続の増収増益となった。その背景には環境対応型の塗装設備受注が好調の他、海外においても中国、東南アジア、インドを中心に順調に推移していることが上げられる。この4月に壷田貴弘氏が社長に就任した。新社長に今後の見通しと開発及びグローバル展開の要諦を聞いた。
前期は6期連続の増収増益となりましたが、今期の見通しは。

前期は塗装機、塗装設備が一昨年を大きく上回ったものの、圧縮機が微増、真空機器は半導体関連が調整に入り横ばいとなった。塗装機、同設備は自動車部品、家電、IT製品関連が牽引した。

今期はサブプライムの問題から米国がリセション(景気後退)に入り対米輸出が期待ほど伸びていない。更に原油の高騰、為替の変動など見極めにくい要素が多い。国内は景気の踊り場にさしかかっており全体的に厳しいと判断している。

海外は中国、東南アジア、インドを中心に堅調に推移。国内ユーザーの海外進出に対応する格好で販売額を伸ばしてきた。前期で国内と海外の売上比率が60%対40%になり海外比率が高まっている。恐らく2007年~2009年の今3カ年中期計画中にはその比率が更に拡大すると予測している。今期の連結売上高は300億円、経常利益37億円で、7期連続での増収増益を目指す。

海外の景気動向は。

当社は現地での消費を目的に現地生産している。海外の安い労働力を使ってモノつくりをして国内へ販売するという考えではない。中国に関しては、今後5年から10年も経つと、中産階級の人々が5億人から6億人になると予想されていて、これはヨーロッパの中産階級の人々より多い数値であり、内需は今後も高くなると思う。既に天津、上海、広州に販売拠点を置き、更に大連には今年初めに駐在事務所を開設した。今後は華西地域や華南沿岸地域をカバーできる販売網を構築する考えだ。

インドについては非常に好調。圧縮機の生産を行っているが生産が間に合わない状況。今後5年、10年のスパンでものすごいスピードでモータリゼーション化が進むと思う。中国以上の伸長が期待できる。1~2年で塗装機の生産を検討する。

その他の海外市場は、欧州、とりわけ東欧、ロシアが自動車メーカーの進出によって活発化している。中近東はオイルマネーで開発が進んでおり、また中南米も今後大きく拡大する地域と考える。当社の海外戦略の基本は駐在事務所からスタートして販売拠点を作った上で、最終的には販売子会社化による市場拡大によりグローバルな展開を図っている。これらの地域への継続的な販売拡大は今後も行っていく。

グローバル化によって人材の採用、育成はどのように。

海外戦略を進める上で専門性を有し、かつ語学に堪能な人材の育成が大きなテーマ。なかなか両立した人材を採用するのは難しい。育てていくしかないと思っている。各地域を統括するジェネラルマネージャーは必ずしも日本人である必要はなく、現地で有能な人材を採用し、国内で研修を受けられる仕組みにしている。

毎年、年1回世界各地の海外子会社から責任者を招集し、マーケティング会議を行っている。今年で4回目となるが会話は英語で、通訳は一切なく進行する。会議は世界の経済動向、各地域のテーマ、更には戦略製品の開発動向とともに、地域ごとにカスタマイズしていく製品など、細部にわたって話し合う。

また海外マーケットは塗装機、圧縮機、真空機器の3事業部がそれぞれ主体となって行ってきた。塗装機の場合、水性塗装に関しては欧州が先行、HVLPについては北米が先行してきたように、地域によって環境対応の特性がある。その蓄積技術を生かし横展開することで付加価値が高まる。そのマネージメントが重要であり、このような横展開が可能であることが当社の強みの1つ。基本的な技術事項の開発は国内で行い、そのアレンジは各地域で行う。

今後の開発テーマは。

環境対応機器の強化を進めていく。既にスプレーガンは欧州の動向に対応することで、水性対応は済んでいる。また、静電塗装機にも注力しており、液体、粉体を問わず静電塗装システムとして技術の確立向上を目指す。特に粉体塗装機については、これまでOEMを含め紆余曲折してきた経緯がある。自前でやらないと人材が育たないと奮起し独自での製品開発を行っている。今後も期待される2液・多液電子制御混合装置をポンプも含めてシステムアップして市場投入する。

また昨年4月に自動車メーカーへの対応を強化する考えから、カーメーカー/静電グループを新たに編成した。開発から販売、更にアフターフォローも含め一貫して行う自己完結型のグループにより、更なる専門性の高い対応が可能となった。今後は技術力の差が企業間格差となると判断しており、アネスト岩田グループの総合力を結集して世界シェアを高めていく方向にある。

今後の投資計画は。

2007年からの中期3カ年計画において30億円の設備投資を計画している。主に生産技術の自動化を進め、生産性の向上に努める。既に昨年から今年にかけて日本、欧州、中国で生産設備の更新、新設を行っている。

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