HOME>インタビュー>UTS計100回を達成、30年の蓄積 『統合』図り、更に企業力を高める
インタビュー
2008年10月21日
UTS計100回を達成、30年の蓄積 『統合』図り、更に企業力を高める
旭サナック
代表取締役 甘利 昌彦
氏
1978年にスタートしたユーザー技術教室(UTS)が今年の秋、開講30年、100回の節目をを迎える。当初はいち企業がやるべき企画でないという批判もあったが「当社の理念である報恩・感謝の気持ちでここまで続けてきた」ことが、UTS開催の原動力となっている。6月には新製品を発表した他、CTC(塗装技術センター)に自動車部品向けのベル塗装システムを導入するなどハード、ソフト両面で機能拡張を図っている。
前期の業績は。
5月期決算は国内外の好調な景況により、当社も堅調な業績となりました。自動車部品、建設機械及び弱電関連が好調に推移した結果です。特に自動車部品や建設機械は輸出が好調で、日本経済の成長を如実に反映しているといえます。また一般金属分野においても粉体塗装の大口物件が受注できた点も見逃せません。
今期の見通しはいかがですか。
好調であった自動車関連の対米輸出が低迷しており、国内もまた景気がリセションに入ったことから厳しい環境になると予想しています。既に設備投資の見直しや延期、凍結が実際に出てきており、先行き不透明感は拭えません。
今年の6月に内覧会を開催し、新製品の紹介を行っていますが、新製品のトレンドは。
ここしばらく新製品の開発が遅れ気味でありましたが、ようやくお見せできるものが形になってきたことからユーザー様をお招きし、新製品を紹介しました。塗着効率の向上を目的にした新タイプのノズルや水性、粉体といった環境対応型がメインになっています。特に水性2液混合装置は高粘度対応、洗浄性などのバージョンアップを図り、より現場の作業性に応えられるものになったと自負しています。更に静電粉体塗装機においても新タイプのコロナガンを出しました。
また新たにCTCにバンパーなどの自動車部品塗装が行えるシステムを導入し、塗装ロボットとベル型塗装機を組み合わせた実験ができるようにしました。一般工業用塗装においても活用できつつあるレベルまできました。特殊な塗装システムを標準化しマーケットの評価を求めていく。新しいものは即売上に結びつくというものではありませんので、種まきの時期と考えています。
ここ数年、国内マーケットは活況でしたが、依然海外に進出するユーザーも多いですね。
実質の現場は海外に移っていると思います。当社も日系メーカー様のフォローが大きな要素になってきています。基本的な塗装仕様は国内で決めます。更に品質においても世界共通にしようとの動きから同じ塗装システムを導入するケースが増えている。日系メーカー様の立ち上げ、サービスを含め海外出張の機会が多く、昨年度は技術、工場関係者の海外出張は延べ300人に達しました。
この傾向はますます強まるでしょう。台湾、米国(シンシナティー)、中国(上海)に駐在員を置き、現地の販売会社を用いてサービスフォローを行っていますが、サービス技術の向上に向けたトレーニングを行うなどフォロー体制の強化を進めています。
(塗料・塗装は)成熟産業にあって、今後の成長のカギは。
市場そのものが拡大していくとは考えにくい。しかし、特定のマーケット、ニッチなマーケットにおいて我々の技術を生かせるところはあると思いますので、悲観はしていません。今後の成長のカギは環境対応になると判断しています。これまでのVOC削減にとどまらず、CO2、省エネ、省資源といった求められるニーズが広範囲になってきています。特にCO2や省エネ、省資源はトータルな考え方が求められる。塗着効率のいい機器を開発するといったことだけでは収まらない。
昨年、塗装機器の創業50周年に当たり今後の方向性を『インテグレーション(統合)』という言葉で表現しましたが、機器、システムといったハードな部分だけでなく使い方、技術管理者の育成、教育、更にサービスを含めトータルに対応できる体制が求められてきていると思います。
UTS(ユーザー技術教室)がこの秋に100回(30年)を迎えます。
今のUTSは1978年に塗装機器創業20周年を期にスタートしました。現会長が20周年を迎えるに当たって日頃の感謝の気持ちをどのようにユーザー様にお伝えしたらいいか、といったところから思案の末にUTSが生まれたわけです。当時は工業用というよりも建築、防食、造船といった汎用の世界が主体で、参加者も販売店が多かったように思います。エアレス塗装機の旭大隈産業の基礎を作った時代です。
その後、工業塗装への転換を進めるとともにCTCを作り、開発を主体にした事業展開を図る中で、UTSも現在の工業用関連が主体になり、ユーザー様の採用事例などにより現場に即した内容に変わってきました。しかしUTS本来の精神である報恩・感謝の念は変わらず、弊社の遺伝子として30年間脈々と受け継がれてきていると思います。
テーマもその時代を反映したテーマを設定してきたことになりますね。
最近は環境をテーマにさまざまな切り口で行っていますが、振り返ってみますと塗料・ユーザー・環境・塗装技術とバランスよくやってきたと思います。講師の先生は延べ75人に達し、多くの講師にご協力頂いたことに感謝しています。特に初期の頃は三原先生がコーディネーターとなり、テーマの設定や講師の選考などご協力頂きました。
この10月には100回記念のUTSを東京、大阪、名古屋の3会場で行います。歴任の講師の方々にもご参加頂く予定です。100回を期に新たなスタートと思い、報恩・感謝の気持ちを忘れず回を重ねていければ幸いと存じます。
ありがとうございました。
« 前のインタビュー | インタビューアーカイブ | 次のインタビュー »