インタビュー
2009年07月01日
自動車アフターマーケット特集 イーキューブ戦略、刈り取りを図る (自動車アフターマーケット特集2009)
日本ペイント
オートリフィニッシュ事業本部長 大石雅夫
氏
昨年度後半から需要減少が加速し5%ほどのダウン。地域差もあり東京、九州、北海道は中部エリアに比べて落ち込みは小さい。首都圏は底打ち傾向が出始めている。土日の1,000円高速道路効果ははっきりした数字には出ていないが期待はしています。とはいえ不況が続き今年度も5~7%ほど悪化すると見ております。そうした中で当社の業績に関しては前年並みを確保したいと考えています。
究極の溶剤システム、最後の溶剤システムとのコンセプトを打ち出したnaxレアルが好評です。昨年度は計画値を大きく上回る業績を達成。顧客からは塗料使用量、塗装作業時間を削減できたとの評価をいただいております。naxレアルは他社にないシステムですので、差別化がしやすく塗料販売店の方たちからも攻め玉にしやすいとの声が強まっています。
今年度もnaxレアルの普及に全力を挙げるとともに、低温速乾硬化が可能でCO2削減効果が期待できる"naxイージス(3:1)RSクリヤー"を新発売しました。また最近、市場の水性塗料への興味は非常に高まっており、naxレアルと水性(naxオーデベース)のベストミックスというコンセプトで臨みたい。BP工場にとって環境対応は待ったなしの状況になりつつあります。その一方で入庫車の減少から生産性の向上やコスト削減といった命題が課せられていることも事実。従って単に環境だけの対策を進めればよいわけではありません。経営との両立がなければ現実問題としてBP工場のクリーン化は進化していかないと考えています。
確かに環境と経営の両立はトレードオフの関係にあるかに見えます。そして環境負荷低減には設備や人材投資が必要になります。ただ大事なポイントは工場の在り方を正しく把握し、環境負荷の低減を進め、同時に生産性改善を図ることです。その中で、トータルコストの改善を実現していくべきだと思います。環境か経営かの二者択一の問題では決してありません。
ひと口にBP工場といっても置かれた条件は千差万別。一律でこうすべきという処方があるわけではありません。経営者と工場の現場スタッフと我々とが同じコンセンサスで同じ目標を達成していくプロセスが大切です。このため当社では工場診断のプロを抱え、カスタマイズされた診断に基づいた改善を実施しているところです。
基本は我々と同じベクトルで市場活動していく方向で、工場診断の人材に関してもその養成をサポートしていきます。ベクトルを合わせる上で新たにカスタマーサービスグループを営業部から独立させ、スタッフを拡充し機動的に動けるようにしました。営業と技術の役割・機能を分け、技術スタッフにしかできない顧客推進で信頼性を高めていく狙いがあります。塗料販売店さんからの技術サービス要請にこれまで以上にスピーディかつ柔軟に応えていきたい。
9年間で270件の工場診断を行ってきました。課題もはっきりしてきています。診断・提案の次のフォローがまだ弱い面があり、今年度はフォローサービスを強化していきます。具体的には生産性改善ばかりでなく、入庫誘導や集客力につながるようなフォローにまで踏み込みたい」 「nax工場診断インストラクターは全員がnax会店のメンバー。長期間の研修を受講された方々ですので、そのマンパワーは今後更に大きくなることは確実です。
その通りです。nax工場診断インストラクターが社内の新しいキーマンとなって営業スタイルを新しく変える動きとなります。すると販売店全体のレベルアップにつながり、顧客に対し自信を持ってコンサルティングできるようになる。好循環が生まれるケースが目立ちます。
既存の顧客対応への効果ばかりでなく、工場診断をツールとした4つのアプローチがあると思います。1)人脈作りのきっかけとする2)商品の拡販3)工場全体の効率化4)設備レイアウトなど。この組み合わせによって新規開拓が可能になります。また診断計画に基づいた改善ステップにより、投資とコスト回収が明確化され、戦略性をもったBP経営の実現に貢献できればと期待しています。
顧客マインドにまで入れる要素があり、本当の意味でマーケットインができる。つまり顧客の問題を部分ではなくひとつのシステムとして見てトータルに改善していける突破口になる。またサービスでやるのではなく、正当な対価を求めることで相互に真剣に取り組むようになる。当社としてはこうした仕組みやしかけを今年度は全国規模で実施していきます。アフターマーケットは更に流動化してきますので、その中で鈑金塗装のサービスの新たな在り方を確立していきたい。