インタビュー
2009年07月07日
原点の現場主義に徹する
イサム塗料
専務取締役 古川雅一氏
事故需要の減少など市場が構造的にシュリンクする傾向にあります。これに伴って当社の売上も前年度は約2%落ち込みました。また昨年9月以降、大手塗料販売店を中心に在庫調整が進み、その影響も出ています。しかし今年4月以降底打ち感が出始め、地域的ばらつきはあるものの、ゆるやかな回復軌道に入るものと期待しています。
当社としては原点に戻り、幅広いユーザーに対し我々のシステムの認知を図り(当社製品を)1品でも多く紹介していきたい。もともと当社の強みはこの分野で常にパイオニアとして新システムを投入し、その普及のためにユーザーに密着したフィールドサービスを地道に実践してきたところにあると思っています。これが原点であり、このスタンスの足腰を強める方策を行っていきます。
アクアスDRYを投入しました。アクアスのバージョンアップと同時に水性導入に向けたハードルを低くしたシステムに特色があります。水性に関心はあるけれども初期コストや生産性の問題から導入しにくいというユーザーの声に応え、4段階のステップを設け、最短で5カ月間、ユーザーの実情に合わせて無理なく水性システムを習熟してもらえるようにしました。初期投資はシルバーセットなどに限定されますので、3~5万円程度と負担を最小限に抑えることができます。これをサポートするフィールドサービス体制も整えました。
もう1つの特徴は、DRYスクリーンシステムを開発し、投入しました。水性塗料ですと乾燥性の問題から調色・色見本作成に時間がかかりましたが、比色塗板作りが6-7分でできるすぐれものだと自信を持っています。
当社は国内メーカートップを切ってアクアスを投入。7年近く経過していろいろな改善に努めてきました。既に300件以上のBPで導入され、要望を聞く中からDRYが誕生しました。水性の問題点をまとめると作業時間のスケジュール化、調色のスピードアップに集約されます。タイミングについてはBPの事情にもよるでしょうが、避けて通れない環境問題なのですから早めに手を打っておいた方が良いと思います。
業界初の10対1にも5対1にも対応できるサーフェーサーを投入しました。主剤の開発にはかなり苦労しましたが、新しい形のサーフェーサーができたことによって対応する幅が広がり、販売する側にもユーザーにもメリットがあるものと期待しています。
塗料販売店に向けたBP工場診断士養成をスタートさせます。ルートセールスだけではBP経営者との接点が小さいので、経営診断という切り口から拠点の拡大を図る狙いがあります。研修は2日間コース、1回5-6名のクラスを設けます。BP経営者と現場改善などを話し合うためのノウハウをマスター、加えて実技面についても研修してもらいます。経営と現場サイドの悩みをきちんと見る目を持ち、BPの実情に合ったサービス、サポートにつなげる人材の育成を販売店とともに図っていきたい。この反響を見てステップアップコースを設けるなど、次の手を打っていきます。研修を終了し合格した方にはイサム認定BPアドバイザーの資格を付与します。10名以上であれば出張研修にも対応していきたい。
入庫誘導への正解はないと思います。つまりこれをやれば正解という手段はないので、私見として言っているのは、新車をまず1台で販売し、そのアフターサービスについてフォローしていく接点から広げるのが、遠回りのようで一番の近道。特に地方の市場では地縁など関係を生かして直需を広げる手段はいろいろあると思う。人と人との関係作りが一番大切ですから。そうすれば顧客は離れなくなります。
パイの奪い合いだけに飲み込まれるのではなく、当社としてはユーザーの裾野を広げていきたい。BPの裾野は広いので、まず当社製品を1品でも使ってもらえるユーザーを増やし、そこからシステムの認知にまで深めていく方向。奇抜な方策ではなく、愚直ではありますが当社の製品を通じて信頼性を高めてもらえるよう努力していきます。新しいシステムを開発し、定着させる努力をしてきたところですから、この原点に戻ります。
まず市場の正しい情報を共有化することが先決テーマだと思います。フィールドワークをするにはディーラーからの情報フィードバックは生命線ですから。市場が縮小しているといってもなくなるマーケットではありません。クルマ離れがあっても代替できる移動手段があるわけではありません。しかし生活者のライフスタイルは常に変化していますから、この変化に対応した製品・サービスを常に提供していきたい。
« 前のインタビュー | インタビューアーカイブ | 次のインタビュー »