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インタビュー

2009年10月05日

実車レベルの技術研修で差

デュポン
高機能塗料事業部・自動車補修用塗料本部・本部長 宮本祐二 氏

強引ともみえた地区代理店制も地が固まりつつあるが、市況は悪化する一方の中にあって業績もやや足踏み状態にある。この状況打破に向け、お値打ち感のある商品ラインを充実し、価格対応力を高め打って出ている。また全国規模の研修体制では国内競合メーカーを上回る密着ぶりをみせる。先行した水性研修では顧客は高い評価を示す。
マーケットの現状は。

大きな変動が起きていることは事実だが、一見捉えにくい。確かにパイは縮小し、車両保険の動向とのかい離、車の保有期間の延長、そして事故車の漸減などの構造要因が絡まり、BPの二極化が更に鮮鋭となっている。また20~30歳代の若い層が車を買わない、買えない状況も強まってきた。こうしたところから車そのものに対する消費者意識が変化してきているのだろう。

DRPによって変化したといわれるヨーロッパの市場はどうなっていますか。

西ヨーロッパの市場は、中規模のBPの軒数が大きく減少して、中規模(中間)層が小規模へスケールダウンするなど、ドラスティックな変化がありました。大手BPは、更に規模を拡大することによって、変化をチャンスとしたケースもあり、スケールメリットを享受できたり、生産性の向上に結びつけたりしています。

西ヨーロッパの動向は先行指標になりますか。

DRP、カーディーラーの内製化、などビジネスの環境が異なるので、ヨーロッパの動向がそのまま同じように日本市場で起きるとは思いません。しかし環境規制、特にVOCやCO2の削減は世界共通の課題ですので、水性シフトは遅速の差はあれトレンドとなってくるでしょう。

水性塗料の展開については。

水性技術は20数年の実績を踏まえており、国内の研修での評価も手堅いものがあり、国内競合メーカーより先行していると見ている。特に我々の水性研修では実車を使った実習をしており、パネルのぼかし中心の他メーカーとは大きな差があります。

VOC規制がありながら、水性シフトは鈍いですね。

現状は様子見の状況であると思います。いずれは水性に転換しなくてはならないとの認識にあるのですが、踏み切るきっかけが見えにくい。従って水性のメリット、そしてデメリットを含め総合的に判断できる知見を高めていく必要があり、我々としてはこのための支援を精力的に行っているところです。

製品戦略の重点は。

BP経営の厳しい実態を踏まえ、お値頃感の高いクリヤーを投入しています。スタンドックス「2Kユニバーサルクリヤー」、ミディアムソリッド技術をベースにした2Kクリヤー「デュポン668SJ」がそれです。材料費低減に貢献でき、かつお値頃感の高い製品で、好評を博しています。

価格競争がシビアとなっていることへの対応ですか。

価格のための価格競争をするつもりはありません。むしろお値打ち品のラインの充実をしていくとのスタンス。我々が重視しているのは価格訴求ではなく、ベースとクリヤーのシステムにおける効率化による価値訴求です。ですからこれからも生産性の向上をコアとした商品レンジを広げていきたい。

代理店制度は定着し、成果が出ているとお考えですか。

地区代理店制度を確立したことは大いなる前進だと思います。地区代理店は、地域密着という核になるコンセプトがありますから、各エリアで塗装技術のサポートの面で効果が出ています。BPの求める技術サービスに対し、小回りの利く形で地域密着した形の研修が行え、実践しています。特に強調したいのは量ではなく質を充実した研修に役立っており、実車を使っているところにもそれが体現されています。

マンパワーの面では。

2007年から認定トレーナー制度を発足させ、この有資格者は塗料や塗装技術のマスターはもちろんですが、BPの全般をサポートできるような指導力を付与。しかも常にレベルアップしていけるよう技術・ノウハウをチェックし、生きた資格としています。現状は20名ほどですが、研修の質の向上のため着実に増やしていきます。

スタンドックスとデュポンの2ブランドの売り分けはユーザーからすると温度差を感じているようですが。

2ブランドはむしろ優位性につながる要素です。商品の性格の違いは当然あり、ユーザーの好みもありますから、選択の幅は広がります。我々としては2ブランドの競争力も更に高める努力をしていきたい。

メーカー戦略が生産性向上競争から入庫支援へと軸足を移そうとしています。

BPの入庫誘導や集客支援に関してはBPのマーケティングの問題と認識しています。まずはBPのメリットをどうアピールしていくのか。差別化を明確にしていく必要があります。専業者である強みをきちんと顧客に伝える仕組みと同時に弱みについても補完していく努力が必要であると考えます。ある意味、市場のニッチ性を考えるとBPはチャンスと捉えることも可能です。西ヨーロッパの例でも伸びる専業者に共通しているのは顧客指向で一貫した企業努力をしているケースです。

シェア競争の面では足踏み状態ですが。

決して現シェアに満足しているわけではありません。国内トップ3社に食い込みたい。水性技術の優位性を生かして、肩を並べるシェアを確保していく。幸い顧客からも使える水性塗料との評価が高まっているので、チャンスはある。また地区代理店の研修体制は他社のそれを引き離しており、ユーザーニーズにきめ細かく対応できる研修メニューで顧客満足度を更に向上させていきます。

ありがとうございました。

◇インタビュー後記:自補修マーケットは国内4社(関ペ、ロック、日ペ、イサム)と海外3社(デュポン、アクゾノーベル、BASF)が主要メーカー。構造要因からパイは縮小傾向にあり、シェア争いは激化している。その中でデュポンの強みは地区代理店と2ブランドの保有だが、強みは弱みと裏腹な関係にある。国内3強に食い込めるかはユーザーマインドへのアピールにかかっている。

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