インタビュー
2009年10月02日
汎用の活性元は"ブランド力"
日本ペイント
取締役専務執行役員・汎用塗料事業本部長・汎用塗料事業本部長、日本ペイント販売代表取締役社長 安藤善夫
氏
汎用市場の構造そのものを変えていかないと、メーカーも販売店も塗装施工店も儲からない現状から脱却できない。目標はこの三者が儲かり、同時に最終顧客へのサービス強化につなげ、汎用事業をボトムアップしていくこと。これは明解。構造変化のポイントは最終顧客である施主・生活者に向け我々がきちんと対応していくことに尽きる。
当社の愛知工場をモデル工場として顧客にパワーファクトリーとは『何ぞや』というのを体感してもらうことは効果的。実際見て体感した顧客の反応は非常に良い。特に遮熱スペックについては、実例サンプルやサーモグラフィによる航空写真で表面温度が青や緑となっていることを見ていただくことにより、その効果がストレートに伝わる。CO2削減というテーマが切実になってきた背景から、遮熱という切り口でパワーファクトリーの理念を浸透させたい。
確かに工場環境の改善を予算化しにくい状況にある。その一方でCO2削減は切実なテーマとなっており、ここを導入路としてパワーファクトリーを訴える。働く人たちや工場周辺の人たちに配慮した環境に優しいアメニティ工場の方向を突き詰めていくお手伝いをしていく。顧客の反応を見ていると、遮熱塗料がまだほとんど認知されていない。モデル工場を見せるだけでは限界があるので、体感させるプレゼンテーションの面で更に工夫が必要だと感じている。
工場はモノを効率的に生産する場としてだけではなく、環境負荷の軽減を背景に企業ブランドとしての在り方の方向も強まっている。これに対応したシステムがパワーファクトリー。あるべき工場のビジョンを顧客と一体となって作り上げていく。その手段として当社の商品群の組み合わせが相乗効果を発揮する。価値を訴求していくという意味で、従来の販促とは180度違う。
汎用と工業用といったタテ割りの事業組織を流動化していく必要がある。パワーファクトリーに関しては連携が不十分。もっと共通感覚を全社に醸成しなくてはならない。一方で全く新しい技術により開発したクリスタコートや、自動車技術をベースにした機能型クリヤーの開発という面から見ると、事業本部の枠を超えて商品開発が進み、風通しは良くなってきた。工業用で培った技術を汎用に横展開していけば、他社に追随できない付加価値のある汎用製品を拡充することができ、これは実行していきたい。
カラモニーについては秋口をめどに新しい展開を打ち出していきたい。カラモニーのコンセプトである利便性とコンサルティング、そして色彩提案などの楽しさを地域密着で展開する場としての基本を明確にしたい。今ある体制を継承しつつ、新カラモニーは絞り込んだ形で再度モデルを立ち上げ、それを横展開する方向。数の拡充よりもまずはビジネスモデルとなるカラモニーを確立することを先行させる。汎用販売のモデルとなるようなカラモニーとなるよう、質的な面で充実した形を目指す。
現在、立案中だが、重要なのは日本ペイントのブランドとしてのカラモニーの位置付けにあると考えている。日ペ・イコール・カラモニーというイメージで定着させることが新生カラモニーの成否につながる。
一般生活者市場という発想が弱く、生活者の生の声をフィードバックする機能がほとんどなかった。生活者意識を吸収しサービスを構築していかなくては汎用市場の活性化はないと思う。従ってカラモニーは生活者の"こうありたい"というニーズの受け皿となって情報をフィードバックしてもらい、新しいサービスの創造につなげるといったダイナミックな業態にしていく。そのための第1ステップはこの秋から実践していきたい。つまりカラモニーは販売ネットワークであると同時に、日ペブランドを体現するもの、日ペと生活者とを直結するパイプとなるべきもの、更に塗装施工店に誇りを持って高い品質の施工を提供できる地域窓口となるのが理想だ。
ブランドの信頼性は、一朝一夕には確立しない。ブランドビルディングとして我々がカラモニー店と一体となって培っていく努力が必要になる。店頭での対応ひとつでブランドが崩れる。我々が施主様や生活者に向かって何を提案したいのか、この点でコンセンサスを踏まえた共同歩調が不可欠。看板はカラモニーであっても内容や対応がバラバラであればブランドにはならない。決して簡単なテーマだとは思っていない。むしろ当事者である我々の覚悟が試される。カラモニーのコンセプトは良いが内容がなくハコモノ施策だと言われないようにしたい。
秋口に第1弾の方向性を示し、来春あたりから地域を限定した形で新しいカラモニーを展開していく。目標に向けブレないように、また生活者のトレンドに対応したサービス、需要創造的なサービスの開発の場とする。
◇プロフィール
昭和46年に入社し、28年間自動車用塗料、その後工業用で本部長として統括。汎用を担当するのは今回が初めてで「工業用の目線で汎用を見直したい」と意欲を見せる。
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