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インタビュー

2010年01月25日

インタビュー 大胆人事を断行、新風吹き込み変化に打ち勝つ 大阪塗料工業 代表取締役会長・津田雄二氏 取締役社長・長谷史雄氏

大阪塗料工業
代表取締役会長 津田雄二 氏
取締役社長  長谷史雄 氏

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木工塗料メーカーの大阪塗料工業は2009年9月、入社8年目、若干33歳の長谷史雄氏を取締役社長に選出する人事を発表した。代表取締役会長に就任した津田雄二氏とは血縁関係もなく、一般社員からの大胆登用。周囲の驚きの眼差しを受けながらも津田会長は「中小企業は経営者の指導力が不可欠。時間をかけて育てていきたい」とあえて後継者を内外に示すことで変革激しい新しい時代を乗り越えようとしている。
大胆な人事を断行されました。

津田氏「はじめに、今回の人事に際し、すべての得意先様に対しご挨拶にお伺いできておりません。紙面を通じてご挨拶させて頂くことになり申し訳なく思っております。中小企業は世襲が一般的で、塗料業界でも2代目に息子が継承しているケースは多い。しかし当社のような3代目以降においては世襲でいいかどうかについては難しい問題もあった。私の親族に後継者がいなかったこともあるが、後継者の選択方法に悩んでいる中小企業は多いと思う。なぜなら、中小企業は大企業のような合議的な運営よりも経営者のトップダウンで判断しなければいけない部分が多々ある。しかし、指導力を発揮するには、時間も経験も要することからあえて30代の長谷を抜擢した。経営環境も、生活や環境が変化し、人間自身の考え方や好みが変わってきている。また業界が変化しものづくりの変化が余儀なくされる中で、私のように長年従事してきた者にとっては過去にこだわるきらいが強くなることに危機感を覚えた。過去の成功体験も否定できなくなり、それが若い人にとっては頑固さとも映る。そういう意味でも私が元気な内に引き継いだ方が良いと決断した」

いつ頃決意されたのですか。

津田氏「昨年に決意した。しかし、本人に伝える前にある程度の根回しが必要だったことから、役員陣や金融機関など主要な取引関係先に事情を説明してきた。本人に伝えたのは今年の7月だ」

内示を受けたときはどう思いましたか。

長谷氏「7月に内示を受けたが、回答したのは8月のお盆明けになった。非常に驚き悩んだが、津田から社長職はサラリーマンとしての最終到達地点であり、あとはなるのが早いか遅いかの違いだけ。重責だが、年月をかけて引き継ぐという話をもらい決断した」

長谷氏のどういう資質を評価しておられますか。

津田氏「私自身も専ら営業畑を歩んだが、中小企業はとにかく自社で作った製品を売ることが経営の最優先課題。技術能力や事務処理能力以上に経営者は自分が前線に出て売らなければならない。そういう理由もあって、営業の主任であり、取引先とも関係を構築している長谷を選んだ。また長谷の商品説明能力は優れており、私より自社製品に熟知しているほど。ただ、能力とは別に資質に期待している。もう少し遊んでもらいたいと思うが、両親から良い育て方をされており、まじめで基本的な考え方がしっかりしている」

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「じっくり引き継いでいきたい」と津田会長
経営を取り巻く環境は厳しさを増しています。

津田氏「平成15年をピークに現在は3割程売上が減少している。当時は家具向け、OEM、建築汎用とほぼ均衡していたが、15年以降主力の家具向けなどの木工ユーザーが海外シフトを強め、完全に構造が変化した。当時取引先から中国に進出しないかという声も頂いたが、国内特化を決断し、建築汎用分野へのシフトを進めてきた。今は建築汎用分野が売上の半分にまで押し上がってきた。今後はよりデフレ傾向が予想され、付加価値製品の開発と生産性向上に努めることで利益を上げるしかない。幸い当社は福井に工場を移したことで、生産能力、備蓄能力とも十分な体制を整えている。あとは少量多品種生産に対応するべく、自動化を視野に入れた設備投資を進めていく」

新社長に期待していることは。

津田氏「当社は同業他社と比べても小所帯。まともに力勝負をしたら負ける。メーカーの廃業、倒産がある中で所帯30人の当社が生き残るためには、正直であるということよりもしたたかさを持ち合わせなければならない。時に応じた攻めや逃げるしたたかさが必要だ。ただ、常に安心できないところに中小企業を経営する面白みがある。枕にペンとノートを置くほど、24時間仕事漬けになるが、社内で支えてくれるスタッフもいる。これまで蓄えてきた内部留保もある。次の拡大に向けて果敢にチャレンジしてもらいたいと思う」

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長谷社長「ベテランと若手の融合強みに」
社長就任に際し、社内にどういうメッセージを伝えましたか。

長谷氏「変革についていける企業体質にし、儲けを生み出せる組織づくりをしようと伝えた。そのために営業、製造、技術の各部門長に権限委譲した。各部門がスタッフの意見を集約し、力を強めてもらいたいと思っている。また当社は今年20歳代の社員を4名採用するなど、若手の活用が進んでいる。過去の成功体験がない分だけ固定概念なくチャレンジできる。若さゆえに行き過ぎる部分があるが、それはベテラン社員が良い意味でストッパーになってくれている。メーカーの醍醐味は自社商品を使って良かったと言ってもらえる顧客の声。これまで築いてくれた当社の屋台骨である需要分野のパイプを太くする一方で、ベテランと若手の融合を図りながら、当社でしかできない独自性を構築していきたい」

ありがとうございました。

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