インタビュー
2010年08月19日
工業用ディーラー・トップに聞く(1) 殻を破り、新しいモデル構築へ
ウチゲン
代表取締役 内山照章
氏
売上の80%を工業用が占めており、今回のリーマンの問題は事業基盤そのものを揺るがすものでした。当社の場合、自動車関連ユーザーが多かったので、一気に需要が縮小し、いまだに回復水準には程遠い状況です。
急速な需要縮小で、まず手を打つ必要があったのは人の配置の問題。ワークシェアリングを実施するなどしました。これとともにモラルの維持が重要になります。マンパワーを低下させては何にもなりませんからね。配置を変え、営業力につながる組織体制にしました。
自動車向けばかりでなく、工業用全体が縮小していくと思われます。需要縮小は量的な問題ですが、それと同時に我々の機能が問われる問題でもあります。一見市場は縮みますが、そこに新しいチャンスが生まれ、ニーズが出てくるということです。国内に残るニーズはもっと高度な要求をする方向になってきています。
これまではメーカーの補完機能がひとつの大きな役割でした。在庫して必要量を必要なタイミングで納入することや調色サービスなどです。こうした機能の他にもっとトータルな形でのサービスが求められています。具体的なケースでいえば、大手自動車部品メーカーさんに我々がUVコーティング装置を導入させていただきました。UV関連の要素技術、部品を組み合わせるセットアップ機能が評価されたのだと思います。
UVコーティングシステムの例のように、これまでのノウハウの蓄積がまず重要です。いろいろな顧客にいろいろなサービスを行っている実績、そこに含まれるノウハウを活用していくこと。それに新しい技術を付加しシステムアップしていければ、パイ縮小の中でも我々の存在を示し、ビジネスを成長させることはまだできると考えています。
我々は常に現場とつながっていますから、そこにビジネスのネタはたくさんあるはずです。しかしそれを発見するにはセンスが必要です。その意味で、リーマンショックは人材の重みを改めて実感させるものでした。もう一度人材の活用を考え直し、働きやすい環境の整備もしてきたい。潜在的なマンパワーを引き出すには企業の方向性を明確にし、全社的にコンセンサスを図ることが欠かせませんからね。
私共は世界市場を相手にしたユーザーとの取引も多いものですから、その意味ではサービスレベルも最高のものを求められます。これが当社のベースとなる企業力だと思っています。個別の機能や要素ではなく、システム化したサービス力、支援体制に強みがあります。この力やノウハウをもっと柔軟にヨコ展開することで、第2、第3の柱を構築していきたい。
いくつかリサーチしているものはありますが、特定できていません。プロジェクトチームの中で検討している段階です。これまでは塗料を核とした周辺分野の取り込みでしたが、電気自動車が急速に普及する可能性が出ていますので、自動車分野も大転換に入ってくることは確実です。このチャンスにキャッチアップしていきます。
チャンスは過去にあったのですが、当方の条件が整わず断念しました。今後もチャンスがあれば積極的に海外に出ていきたい。どのような形がベストなのかリサーチしないといけませんが、海外事業は1つの柱にしたいと思います。必ず当社の機能を生かせるビジネスの形があるはずです。
これまでの機能・役割だけでは存在し得ないでしょうね。まずは自らの力で殻を破らなくては。それがスタート。蓄積したノウハウもマンパワーも新しい組織の中で生かしていかなくてはなりません。その意味でここ1年余りが正念場と自覚しています。私自身も殻を破らないとね。
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