インタビュー
2010年08月19日
工業用ディーラー・トップに聞く(2) 世界標準のオンリーワン商品づくり
NCC
代表取締役社長 原田 学
氏
顧客の経営マインドが大きく変化したことを痛感しています。マーケット・インする指向で4つのコンセプトを立てていました。まず情報商社、そして技術商社、そして顧客とメーカーと我々の三位一体となったシステム構築、4つ目は建築用に関わる生活者ビジネスです。この4つのテーマを抜本的に顧客視点から見直しています。シンプルにいえば、あらゆる問題の答えは顧客の経営方針にあるということです。
世界同時不況で沈思黙考したことは、愚直に基本に立ち帰ることでした。つまり"我々は何のために働いているのか"から始まり、顧客と仕入先と我々の関係を再考。それと非常に厳しい経営環境だからこそ、自らの仕事のやりがい、楽しさ、達成感を再構築する必要があると感じました。その上で、世の中から求められているものの用途開発こそ我々の使命。まあ本当にベーシックなことなのですが。
機能多彩力というフレーズを使ったことがあるのですが、商社というスタンスを生かした用途開発をしていくには、仕入先の企業も顧客との立場が重要になります。市場のニーズは当然顧客の声に反映されますが、仕入先の声を十分吸収しつつ、我々が主体的に判断していくスタイル。別の言い方をすれば現場技術に集約されると思います。まず現場ありき、そこにしか我々のフィールドはない。開発のための開発ではない。現場は問題のかたまり。でも現場そのものが解決策をはらんでいるのだという視点で、情報や技術を活用していきたいという意味です。
オンリーワンであるということですね。同じレベルの技術サービスを提供していては顧客から評価されません。むしろ顧客からは必要とされない存在になります。我々の活動全体がオンリーワン商品として評価されなくてはならないと思います。例えば我々はベッカーの代理店になっていますが、海外企業とのタイアップで世界最先端のコーティング情報がリアルタイムで得られるメリットがあります。地方に立地していても、世界標準というものを常に具備していなくてはならない。特にコーティングは要素技術を集約したものですから、新しい要素技術の導入は生命線です。それによってコーティング全体のパフォーマンスが変化してしまいますからね。このため諏訪に塗装ラボを設け、情報・技術をいち早く入手しカスタマイズできる体制をとっています。こうした行動こそがオンリーワン商品につながることになります。
その通りです。そのため新たな開発会議を設け、情報・技術の横断的共有化と機動力ある営業体制、また先項の自分たちのやりがいにつながる働き方でモラルアップする企業風土づくりを目指しています。これまでのタテ割りの事業構造ではオンリーワン商品はできないですし、顧客の成果を実現できません。
双方向の形のビジネスにすることが重要だと思います。リフォームや改修をもっとポジティブなものにしたい。劣化対策、耐久性向上などはひとつの要素にすぎません。むしろ暮らしをクリエイティブにしたり、生活する人の自己実現のためのリノベーションの方向。ここでもオンリーワン商品としなくてはならないと考えています。環境と安全・健康、そして新しいライフスタイルの提案というモデルを構築します。
第3次中期経営計画がスタートしました。当社にとっても歴史的転換点だと認識しています。先ほどもいいましたように、何のために働くのかを基点として見直す力を全社的に結集して計画をまとめました。これまでの成長戦略と違うのは、成長の質を自らの手でチェックしたところにあります。我々が働く意味は顧客の成果にありますから、仕入先を顧客として一体化して、成果を共有するビジネスを創造し我々のやりがいをそこに求めていく。それを具体化するために我々の機能を高めたい。経営効率はこのベースに築かれなくてはならないと思います。三位一体のタスキがけの関係でオンリーワンを目指します。
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