Last Updated: 2012年5月21日 09:26  RSS 2.0
キーワードを入力してサイト内のニュースを検索できます。

インタビュー

2011年12月14日

汎用、やりがいのある仕事に

日本ペイント販売 代表取締役社長  利光哲也 氏

汎用塗料事業をもっとやりがいのある仕事にしたいとの思いを込め、自社改革を進めている。人(マンパワー)が基本との原理・原則は当然のことのように映るが、成熟市場に立ち向かうにはウルトラCの奇策はないと考える。同社の人材の若返りは目覚しく、フレッシュな知恵を結集し、新しいビジネスモデル構築を目指す。
汎用事業の感触はいかがですか。

工業用のようなBtoBのマーケットと違い、なかなか全体像がつかみにくいというのが率直な印象ですね。需要構造も多岐にわたりますし、分野ごとに市場の性格も異なりますから、工業用のように点ではなく、面の市場なのではないかと思います。私にとっては未知の世界なので、興味深いところはあります。

就任あいさつの中で各地の特約店のトップの要望も聞かれたかと思いますが。

そうですね。特約店と一言で言っても地域や業態が違いますから、ひとくくりにすることはできません。しかしマクロ的には国内市場の縮小という背景がありますから、危機感は非常に強い。その中でやはりメーカーとして特約店との連携がなくては汎用ビジネスは成立しません。我々も聞き耳を立てそれぞれの特約店さんとの更なる関係強化に努めていきたいと考えています。

サバイバル・チャレンジの3年目、今期が正念場で、販社改革も待ったなしの状況です。

汎用塗料事業に関しては技術開発を除き、企画から販売までを当社が担う体制ですので、正直責任は重大であると痛感しています。当然のことながら市場の変化に連動して在るべき姿は変わってくるものですが、既存の市場の枠組みだけに甘んじていては需要縮小は避けられません。新しい軸を打ち出す必要があり、今年中にはその方向性を発表できるように準備を進めているところです。具体的に説明できる段階にはありませんが、キーワードは"機能性"にあります。

既に『ハナコレ』や『ダイヤモンドコートシステム』といった突破口になる方向も打ち出していますね。

ハナコレは商品戦略というよりコンセプト戦略です。外壁塗り替えをハード機能の面だけで捉えるのではなく、施主の立場からポジティブなモチベーションを引き出し、差別化とともに顧客満足度を向上させる狙いがあります。またダイヤモンドコートは今年から東京・神奈川エリアを加え、4エリア(千葉・埼玉は既に実施)に限定した試行的なマーケティングの性格が強く、現状の解析はこれからという段階です。しかし感触的には良いと感じていますので、ひとつの突破口にしたい。

いずれも施主(生活者)にダイレクトに訴求していく、これまでの汎用販売のスタイルを超えたものですね。

塗膜ビジネスという形を考えていかないと、塗料の半製品という性格はマイナスになってしまう。塗膜を買っていただくということは、その機能や色彩などを含めたメリットをきちんと提示できるスタイルが不可欠になります。従ってメーカーと販売店さん、施工店さんが協調して塗膜ビジネスを立ち上げる必要があるわけです。それができれば付加価値を創造できるビジネスが見えてくるはずです。しかしその一方で冒頭申し上げましたように、汎用塗料ビジネスは面で捉えなければなりませんから、面で展開するという意味ではもっと違った施策がなければなりません。ダイヤモンドコートは塗膜保証を含めニッペというブランドを前面に出したプレミアムスペックとなっていますが、ハイエンドユーザーをターゲットにしています。ボリュームゾーンをカバーできるわけではありませんから。

震災によるサプライチェーンの途絶という事態への対応からの反省点はなんですか。

サプライチェーンの見直しは当然ですが、根本的にいえば震災によってどん底を経験したことは非常によかったと思います。こうした機会がなければ白紙から再スタートというチャンスは生まれませんからね。

汎用市場の活性化を根本的なところから考えていくチャンスということですか。

確かにその通りなのですが、ウルトラCの奇策があるわけではありません。マーケット対応の原理・原則に変化があるわけではないのです。それは商品力をベースとしたブランドに対する市場評価を高める方向です。これだけ成熟化が進むと、量の拡大は難しいと感じています。最終の施主にまで届く販促の中でブランド力に磨きをかけることで付加価値を生む形を目指したい。

それにはマンパワーの結集が重要になります。

言うまでもなく人材が基本です。特に汎用塗料事業に関してはマンパワーを引き出していくことが鍵となります。私は(社長に就任してから)若い社員に汎用塗料事業はやりがいのある仕事だと強調しています。次世代を担う君たちの知恵と努力で市場を動かすこともできるし、顧客や社会に対する貢献も実感できる仕事だと。そのために受身で考えて行動するのではなく、こうありたいという方向にチャレンジしていくことが大切で、それが新しいビジネススタイルを創ることにもなると言いたいのです。そしてまた、それが、汎用の軸である販売店さん、施工店さんとの連携につながる形であり、絶対に必要なのです。

ありがとうございました。


工業用のキャリアが長く、汎用は未知の分野と率直な感想をもらす。その一方で工業用のBtoBに収まらない面白みが汎用にはあり、やりがいのある仕事との認識を固めたようだ。原理・原則が考えや行動のベース。基本からぶれない姿勢を貫く意思を見せる。

« 前のインタビューインタビューアーカイブ次のインタビュー »

Web特集|ニュース|コラム|インタビュー|データルーム|イベント情報|セミナー情報|リンクネットワーク