2016/11/17 13:56

経営サイドへの提案力が鍵(自動車補修用塗料特集2016(秋)より)

関西ペイント 自動車補修塗料販売本部 営業開発部長 中里正康

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水性システム導入のネックである生産性への懸念を打破していくには、BP工場の経営者サイドの意識転換が不可欠となる。このため水性への置き換えではなく、経営改革としての水性導入の道筋をつける提案型サポートを強化していく。収益面までも包含したマネジメントとしての100%水性シフト、それを支える革新的な人材育成システムなどを加味し、グローバル展開との連動も見据えている。



水性戦略の方向性が変化しています。


「これまでのベースコートの転換とは違ったスタンスにあります。単にシステムを変えるというのではなく、BP工場の将来性や生き残りを賭けた方向性にドッキングした戦略が必要だと考えています。水性システムを売り込むのではなく、車体整備の在り方に対する提案力が勝負になります」

BP業界の方向性への提案ですか。


「事故車激減の状況が予測されますから、経営者はとても不安と危機感を抱いていらっしゃいます。特に改正特化則、リスクアセスメントの義務化など作業者の安全衛生への配慮は避けて通れないテーマです。コンプライアンスを経営の根幹としなくては、事業の将来像が見えなくなります」
「また、安全衛生対策は人材確保の面で緊急なテーマでもあります。水性システム導入はこうしたBP工場の将来の在り方と同次元の課題を孕んでいるのです。従って我々としては水性システム、副資材・設備のハード面を一体のものとして提案していくと同時に、経営基盤となる収益を上げるマネジメントまで踏み込んだ提案が不可欠になっています」

新しいテーマですね。


「ポイントは経営者の意識転換にあります。水性導入の決断はトップダウンが必要です。これまでの水性導入のパターンであった水性に徐々に慣れていくのでは、現場のネックが壁となり、失敗するケースが多い。トップダウンで100%水性への転換を決め、6カ月程度の計画で達成していく方法を我々としては推進しています」

現場サイドのサポートはどうしていきますか。


「水性は生産性がネックとの固定観念を打破していきたい。生産性はトータルなプロセスで検討すべきテーマです。1台当たりの時間というより、入庫状況を踏まえトータルな補修プロセスを組むことで、生産性向上の効果が出て、収益に還元されてくる問題との認識がとても大事です。我々も経営者に対し現場を変えるプロセス提案を強めていきます」

水性への固定観念はベテランの作業者ほど強くありますね。


「溶剤システムで技術を磨いてきたベテランは、水性システムとの違いにすぐにはなじめない傾向があります。溶剤タイプで培った技術の延長線上に水性もあるとの観念が抵抗となります。むしろ若い世代は水性の習熟が速い。我々としては人材育成をサポートする中で、従来の経験に頼る塗装の在り方を変えていけるサポートを考えています。しっかりとしたマニュアル化・塗装システム化により、ベテランの方や経験が浅い方でも生産性向上に寄与する鈑金塗装の在り方に向かう時代に入っているのです。今後はますます現場の人材の在り方が経営を左右するようになります。人材を柔軟にシフトできるような研修システムが求められているのです」

具体的な方策は。


「近く発表する予定ですが、調色システムの新しい形を提案しようと考えています。それはカラーセンサーを中心としたシステムで、誰もが簡単に作業できるというコンセプトのものです。補修プロセスの中で常にネックになるのが調色です。前後工程を改善するには調色の在り方を変えていく必要があります。全体の生産性を左右する課題だと認識しています」

3年で10%の水性シフトを目標に掲げています。


「2年目となる今年度にほぼ目標は達成できそうです。カーメーカーの内製化BP工場では100%水性化の動きが活発化しており、こうしたケースを分析していくと、専業者の水性化への波及効果が強まってくるものと予想されます。いずれにせよBP工場にとって水性化は生き残り条件となっており、この流れは強まることはあっても弱まることはないでしょう」

海外展開が本格化しています。海外4強に割って入れますか。


「中国を含むアジア、中東、アフリカといった7地域の展開を加速させています。既に南アフリカ、マレーシア、中東の一部では自補修市場で高いシェアを確保していますし、今後出遅れていた地域においてもシェア拡大を図ります。とりわけマーケットの巨大な中国、インドが焦点となります」

ローカルマーケットは地域差が大きいですね。


「モータリゼーションの度合いの違いがあり、ローカルニーズは多様です。しかし一方、プレミアム市場においてはグローバルスタンダードの世界なので、まずはこのクラスを狙った展開に注力していきます。当社製品の高い生産性や品質、技術サポートが威力を発揮できる分野だと考えています」

研修サポートや修理店ネットワーク構築はどうしますか。


「現地メーカーなどとの提携やM&Aなどいろいろな選択肢があり、ビジネスチャンスを生かしていきたい。自補修用のマーケットはシェアとブランド力がものを言いますからね」

ありがとうございました。