2016/11/18 15:41

国内トップ3入り目指す (自動車補修用塗料特集2016(秋)より)

アクサルタ コーティング システムズ 自動車補修用塗料部統括部長 関 博司

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水性システムの技術でトップとの自負がある。事実、世界の水性シフトのイニシアチブを執ってきた。しかもグローバルシェアでもトップの位置づけにある。しかし、国内マーケットの立ち位置は弱い。「トップ3入りを目標にしたい」といい、その鍵を握るのが地区販社との連携だと強調。地区販社をサポートしていく。



水性化の現状について、どのように見ていますか。


「水性化一色というのが実感です。年間トータルでは前年比の倍近くになると見込んでいるところです。この勢いは今後強まっていくものと考えています」

100%水性を導入しているのは輸入車関連のBPが中心ですか。


「そんなことはありません。最近の傾向として、カーディーラーの内製化BP工場や大手BP工場に限らず、規模に関係なく水性へのシフトを真剣に考えるようになっています」

塗料メーカー間の水性競争が激化しています。どのような差別化を進めますか。


「当社は『クロマックスプロ』と『スタンドブルー』の水性システムを有し、水性システムでは約30年の実績があります。グローバルマーケットの中で当社の自動車補修用塗料のシェアはトップであり、それだけお客様から評価されている証しだと自負しています。水性システムとしては3世代目で、ウェット・オン・ウェットを実現した生産性の高い水性システムで、製品力による差別化を強化します。また同時に、特に国内マーケットでの差別化のポイントは地区販社との連携にあります。全国11社の地区販社とより密接に連携し、地域に密着したニーズを汲み上げサービス力を高めていきます」

地区販社との連携で具体策は。


「地区販社はそれぞれ独自に研修センターを有し、トレーナーもいますので、水性化への対応は自律的にあると考えています。当社の宇都宮のテクニカルセンターとの役割分担で相乗効果を上げていきたい。連携で最大の重点はいうまでもなく顧客開拓です。地区販社は地域マーケットに密着していますので顧客の動向を我々にフィードバックしていただいて、一緒になってアプローチしていきます」

調色の面でのサポートが重要になりますね。


「水性導入において調色が問題という声があることは事実です。カーメーカーの新色をデータ化し、いち速くユーザーに届ける当社のシステムが威力を発揮します。当社は自動車OEM塗料で世界のカーメーカーと取引がありますから、配合データの提供スピードでトップレベルにあります」

ターゲット層の絞り込みは。


「カーディーラーの内製化BP工場でのシェアを伸ばしたい。この層は国内メーカーさんが強いですから、割って入っていきます。また独立系のBP工場でも水性への関心が高まっていますので、きめ細かい対応が必要となってくるでしょう」

きめ細かい対応をしていくには人員が必要となります。


「その点が一番頭が痛い問題です。一気に増員できる状況ではないので、地区販社と2次店との協力がポイントになります。地区販社・2次店と我々との関係を強化していくには連携によるサポートが必要です」

国内マーケットは水性システムの優位性だけでは食い込むことができないのでは。


「国内マーケットは人間関係をベースにした信頼関係の構築がないと切り崩せないと我々も考えています。水性導入に向けては、導入が利益に貢献できる点を具体的に示していく必要があります。単に生産性うんぬんという側面だけでなく、BP経営全般の収益構造を改善するチャンスが水性導入になれば良いのですから。この辺は水性展開で30年近くの実績がある我々の強みであり、具体的展開の中で生かしていきたい要素です」

事故車の減少など、車体整備の将来(ビジョン)については。


「パワートレインの変化、衝突回避装置の標準化などで、事故車の在り方が劇的に変わってきています。BP専業者は2極化していくでしょう。アフターマーケットで総合的なサービスにシフトする方向と、専業に特化していく方向です。いずれにしても変化を正面から受け止め、経営資源を集中しなければなりません。クルマ社会の成熟化に伴って、クルマの社会的な役割も更に変化するでしょう。こうした中でクルマの保有期間が延びてきていることは車体整備の新たなサービスを創造する機会ともいえます。私見ですが古いクルマをレストアするサービスが活発になるのではないでしょうか」

まず事故車対応という固定観念(ステレオタイプ)から脱却する必要がありますね。


「車体整備は事故需要だけでなく、もっと多様なサービスが創造される必要があると思います。そのためにはカーオーナーである生活者目線に立つことが前提になります。生活とクルマの関係はこれからどんどん変化していきます。その変化の中にビジネスチャンスがあるのですから」

ありがとうございました。



〈後記〉外資3社の中で唯一2ブランドを保有しているが、その強みを十分発揮できていない。地区販社でもどちらに主力を置くかでばらばらの状況にある。水性の流れを呼び込むためにはブランド戦略の見直しが不可欠だ。同時に地区販社と2次店との関係についても課題がある。アクサルタらしさの訴求が必要となる。