2016/12/01 16:12

ペイント文化創造へ1歩1歩 (いいいろの日特集2016より)

日本ペイントHD 空間デザインチーム マネージャー 中澤淑子 さん

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塗料の内装需要の創出とともに、B to Cビジネスへのアプローチの意味も込める日本ペイントホールディングスの内装塗料ブランド「ROOMBLOOM」。マテリアルとしてのペイントではなく、その楽しみ方や暮らしへの生かし方を伝えることで、塗料に新たな魅力を吹き込み価値創造を図る。女性7人のプロジェクトチームが次々と繰り出すユニークな仕掛けが市場を刺激する。



改めて「ROOMBLOOM」を立ち上げた目的から聞かせてください。


「直接的には塗料の内装需要を創りだしていくことですが、もっと大きな視点で言うと、一般の方々に塗料を近しい存在に感じてもらい、暮らしの場に塗料を根付かせていきたいという目的があります。これまで欠けていたB to Cの流れを生み出すことで新たなステージが広がるとの期待。そのために、塗料の情報、魅力や価値を伝えることが私たちの大きなミッションです」

その取り組みの1つがペイントパーティーですね。


「単に部屋を塗ってきれいにしましょうではなく、家族や友人、親しい人たちが集まってパーティー感覚でお部屋のプチリノベーションを楽しむ。いわばコトの消費にペイントをフィットさせようという試みです。お酒やお料理、音楽を楽しみながら塗装という共同作業でその場がとても盛り上がる。コミュニケーションツールとしてのペイントの新たな価値です」

パーティーというシチュエーション設定がとても新鮮です。


「『壁を塗りましょう!』とストレートに訴えるだけではまず響きません。楽しさや面白さの要素を掛け合わせて行動に導き、そこでペイントに実際に接してもらって魅力に気づいてもらう。当初は私たちが事例を仕掛けてそのやり方や楽しみ方の情報発信をしていましたが、『ROOMBLOOM』のペイントパーティーキットの売れ行きを見ていると、実際にペイントパーティーを楽しんでいる人たちが増えていると実感しています。今後もいち消費者の目線で楽しそうなこと、面白そうなことを取り入れながら多様な切り口で仕掛けていきたいですね」

先日もユニークなペイントパーティーを開いたとか。


「先月(10月)、『恋するペイントパーティー』というイベントを行いました。ペイントパーティーの合コン版ですね(笑)。インテリアに興味がある、DIYが好きなど同じような価値観の人たちが集まってきているのでとても盛り上がりました。男女それぞれ15人ずつ募集しましたが、女性枠の方がすぐに埋まりました。女性層のDIYへの関心の高さを感じますね」

一方で、建築家とのコラボレーション企画も進めています。


「『建築家と考えるペイントリノベーション』というプロジェクトです。ペイントでどこまで素敵なリノベーションができるか、ホワイトだけでどのような空間表現ができるかなど挑戦的な企画を進めています。ペイントパーティーやワークショップが消費者サイドへの働きかけとすると、こちらは建築のプロの方がペイントをどうハンドリングしてくれるかを探り、そこから魅力を発見し、伝えていくプロジェクトです。プロサイドと消費者サイド、言わば住空間をめぐる川上と川下の双方に対してペイントに改めて気づいてもらい、魅力化していくことに取り組んでいます」

各地のワークショップでも頻繁に見かけるようになりました。


「最近では自前でというより、DIYやリノベーション関連のイベントなどから出展のオファーが増えました。先日も大阪の阪急百貨店さんが開催したDIYイベントに出店しましたが、すごく来場者が多くその盛況ぶりに驚きました。そして何よりもあの名門の阪急百貨店さんがDIYをマーケットと捉えていることに時代の流れを感じましたし、心強くも思いました」

ワークショップやイベントへの出展などで感じることはありますか。


「一般の方々と多く接してきて強く感じているのは『知ればやる』ということですね。ペイントへの抵抗感や垣根というのは業界側の思い込みで、そこに楽しさや面白さを発見すればかなりの確率で行動につながります。従って課題は、どれだけ多くの人にその魅力を伝えられるか、それに尽きます」

それが中澤さんたちの最大のミッションですね。


「さまざまな企業・団体やイベントから出展のオファーをいただいているように、DIYやリノベーションなど住まいづくりに関心の高い層の中で、ROOMBLOOMの認知度が高まっていることを実感しています。でも、それらの層は社会全体から見ればまだほんの一部の人たちに過ぎない。ペイント文化を創造していくということは、もっと多くの人に認知してもらうということですから、超えなければならないハードルがまだまだあります」

どのようにブレイクスルーしていきますか。


「今やろうとしているのは家具やファブリック、タイルなど他のインテリアエレメンツとのコラボレーションです。当たり前のことですがインテリア空間はペイント単体では成り立ちません。さまざまなインテリアの要素と組み合わさって最終的な空間が形成されます。例えば家具屋さんとのコラボでは、家具を見に来たお客様に壁の色選びのワークショップを行いペイントへの関心に導くといったような取り組み。ペイントコミュニティからインテリアコミュニティへと枠を広げるような活動ですね。ひとつひとつ積み上げてファン層を広げていくことが大切だと考えています」