2016/12/01 16:24

ホームデコレーター立ち上げ(いいいろの日特集2016より)

カラーワークス 専務取締役 秋山千恵美 さん

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カラービジネスの一段の拡大のための人材が不足しているという。このためスクールの創設ばかりでなく、独自のシステムを構想する。その根底にあるのがホームデコレーションのコンセプト。カラーによってもっと生活を楽しくが理念。このシンプルだが深いテーマに迫っていく。



ペイントカラーの認知が進んでいます。


「生活者は生活に大きな変化を求めています。少子高齢化、働き方、そしてこれからのライフスタイルの在り方を含め、意識の変動が大きくなっています。これはマクロ的な状況ですが、カラービジネスにとってチャンスでもあります。私たちは生活を豊かにする要素として色彩提案を一貫して行ってきました。色彩の持つ生活を変える力を訴えてきたのです」

具体的にはどのような状況なのでしょうか。


「ここ数年、人づくりに注力しています。生活者との媒介となる人づくりです。カラーワークスの理念(考え方)を理解して一緒になって活動してもらえる人的ネットワークが必要になっているのです。確かに色彩への関心は産業レベルから社会レベルまで幅広く高まってきています。住関連の企業からの当社へのオファーが増えていることは事実です。色彩の力で差別化し付加価値を高めたいとの要望です。これに対し生活者は色彩への関心はあるものの、その活用方法が認知されていません。ペイントカラーを使う生活の前段階にあると思います」

生活者という視点では課題は多いということですか。


「課題ははっきりとしているのです。塗料=色彩という認知を浸透させるという課題なのですから。ただその方策はいろいろあるでしょう。ワークショップも効果的ですが、一過性のものでは意味がありません。ミッション(使命感)を持って媒介(人材)をつくる必要があります。それを早急に立ち上げていかなければなりません」

業界レベルでもカラービジネスを真剣に考える人が増えています。


「カラーワークスはスタートから業界の方々との関係で、カラービジネスの発展を考えてきた経緯があります。しかし、残念なことに立ち上げまでに脱落されたケースがありました。私たち自身もビジネスとしての採算に乗せるまでに10年近くかかっています。4~5年で採算に乗るような生やさしいビジネスではありませんから」

ニュービジネスに挑戦し続けられたパワーは何ですか。


「それはとてもシンプルです。私自身は塗料屋の女房としてその業務に追われる中で、塗料に色彩の世界があることを発見したのです。ひとつの覚醒ですね。色彩からペイントの可能性が見えてくることに感動したのです。それまでの材料としてのペイントには本当に限界を感じていましたから、視点を180度転換したことになります。フラワーアレンジメントを教えた経験があったので色の世界は共通でしたし、何よりも色彩は心に訴える力があり、感動と共感を呼び起こす力がある、これが推進力でした」

媒介する仲間づくりに着手しているわけですね。


「これまでもワークショップやセミナーを通じ、人づくりは行ってきましたが、もっとシステム的な人材の養成が急務となっているのです。ペイントカラーを普及させる人的ネットワークがないと、せっかく盛り上がり始めた気運が一過性のものに終わってしまう危機感があります。そこで業界内外に呼びかけて色彩ビジネスに情熱をもって取り組める仲間づくりに着手しています」

システム的な人づくりとは。


「来年スタートする予定にしていますが、ホームデコレーター制度を立ち上げていきたい。日常の中で色彩を活用するためのコンサルタントができる人づくりです。ペイントカラーを基本としますが、もっとスタンスを広くしてインテリアアイテムと色彩を通じた組み合わせなどのノウハウを持った人材が必要になります」

インテリアコーディネーターとの違いは。


「根本的に相違するのはペイントカラーの表現力を伝える力にあります。それには色彩の知恵だけでは十分ではありません。ペイントの色彩はカラーバリエーションが広いばかりでなく、奥深いデザイン性、とりわけ表現の自由度を持っています。従ってペイントには伝える人たちの創意工夫の余地がとても大きいのです」
「私自身ペイントカラーを扱ってきていつも実感することですが、その可能性は汲み尽くせるものではありません。それはペイントが半製品だという性格からくるものでしょう。半製品だからこそ、色材としての自由度が高く、フレキシブルな対応力を持ちえるのだと思います。私にとってペイントの色彩は魔法のようなものなのです(笑)」

ペイントカラーの魔力ですか。


「人の心を動かす力といってもいいですね。人間の感情は色彩によって左右されている割に、空間での色彩の活用は海外に比べ日本は遅れており、無難な色使いをしてしまっています。これはとても残念なことです」

そのあたりも変わっていきますか。


「私たちを含め、業界側がペイントカラーを提案するスタンスを確立することが基本条件だと思います。流れに乗るのではなく、自らの努力とパワーによってマーケットばかりでなく生活シーンを楽しくしていく意志が試されています」

ありがとうございました。