2017/04/05 11:35

品質向上から製品投入へ

明治機械製作所 代表取締役社長 佐伯直泰

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明治機械製作所は1月25日に開催した取締役会において廣田貢氏に代わり取締役営業部長の佐伯直泰氏を新代表取締役社長に選任した。現在57歳。入社以来、ほとんどを東京支店に在籍、仙台所長、大阪支店長を歴任し営業部長となり廣田前社長に続く2代連続の営業畑出身の社長となる。中期経営計画半ばでの交代にも「廣田前社長が進めてきた方向性を踏襲しつつ、より良い方策を追求していきたい」との意欲を示した。新社長に抱負を聞いた。



年明け早々の交代劇には驚きました。


「本来であれば期初となる4月や株主総会後の6月の交代が通例のため、お取引先の皆様には驚きを与えたかもしれませんが、若返りを進めることと中期経営計画を達成するためより具体的な検討を早く始めていくことを意識しこのタイミングでの実施と致しました」

就任に際し、社内にはどのようなメッセージを伝えましたか。


「かねがね思っていたことでありますが、やはり社員を大事にする会社にしたいと伝えました。このことは来期の経営方針にも盛り込みましたが、利益の還元を重視しています。まずは賞与などを通じ、上げた利益に対しきちんと還元していきたいと考えています」

一昨年にスタートした中期経営計画は残り1年となりました。見通しについては。


「当社は来年の期末までに売上高35億円を目標としていますが、実は1年目の昨年で34億5,000万円を計上し、1年前倒しする形で計画が推移しています。しかし、残りひと月を切った今期については、予算の達成は困難ですが昨年並みの水準をなんとか確保できるところにきています。正直1年目は、補助金などの絡みで工作機械の投資が活発化したことで圧縮機を中心に実力以上の結果となりました。それに比べ今期は追い風がない中、更に4~6月が厳しい状況となり、なんとか1円でも予算に近づきたいというのが正直なところです」

来期以降の見通しについては。


「自補修向けを主力とするスプレーガンは、厳しい状況ですが業界水準を確保していると見ています。むしろ厳しいのは海外での落ち込みです。当社は東南アジア、中東向けの輸出を基盤としていますが、低価格志向が強まり、高級グレードになる当社は劣勢を強いられている現状です」

海外売上比率15%を目標に掲げ、海外展開の拡充を成長に据えています。


「これまで代理店との協業やノックダウン方式による展開など手を打ってきましたが、そうした新規取り組みの結実を待つ前に本来のベースの部分で低下を招いています。競争が激しくなっていることもさることながら、現地拠点を持たない展開の限界かもしれません。海外売上を伸ばす方針に変わりはありませんが、改めてターゲットを絞り、戦略を再構築していきます」

国内展開においては。


「やはり新製品の投入が重要ですね。売上の6割近くを占める圧縮機は、シェア競争に集中しており、当社が大手メーカーと真っ向勝負するわけにはいきません。当社としても一定のボリュームが見込める基幹分野だけに新製品で新しい仕様を打ち出そうと開発を進めています。一方、売上高の3割弱を占めるスプレーガンについては、自補修向けにハイスペック製品の開発に着手しています。厳しい中でも当社製品に対するユーザーの関心は高く、まだまだ潜在ユーザーを掘り起こせると考えています。何をコンセプトにして差別化を打ち出すかが重要になります」

フランス・エクセルインダストリアルとの同業連携を通じて工業用分野での成長が期待されます。


「エクセルの傘下にあるSAMESの静電塗装ガン『FINER NANO』やKREMLIN REXSONの『AIRMIX』は工業用分野の牽引役と位置づけています。これまでも工業用分野においてはスプレーガン、タンク、ポンプなどのアイテムがありましたが、静電塗装機や粉体塗装機がないことで消極的にならざるを得ない面がありました。しかし、従来のスプレーガンの塗着率をはるかに超えるAIRMIXは、既に採用の引き合いを頂いており、拡販に弾みをつけています。特にユーザーを訪問し、さまざまなアプリケーションを提案できるようになったことは大きなメリットです。静電塗装機については課題を残しており、もう少しノウハウを積み重ねなければいけません」

スプレーガンのロボット組立システムやタンクの新設塗装ラインを設置するなど投資も積極的です。


「成長戦略を掲げている以上、次のステージに対応した品質確保と供給体制の構築が目的にあります。ロボット組立システムはまだ手放しで運用するまでには至っていませんが、一定の品質確保の点で貢献しています。タンク塗装の新設ラインについても今月から本格稼働を開始します。これまで常温乾燥だったため納期に多少の時間を要しましたが、今回ベルロボットによる自動塗装と乾燥炉を導入したことで、パーツが揃えば当日受注、当日出荷が可能になります。また、自社設備を通じて工業用分野のノウハウが得られるとの期待もあります」

顧客サービスの向上につながりますね。


「今後も"できないと言わない"をスローガンに顧客から頂いた要望の具現化に努めていきます。また今後は社内システムを刷新する他、ウェブサイトのリニューアルに着手し、カスタマーサービスの強化も実施していきます」

ありがとうございました。