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2005年03月02日

マーケット:国内

4年ぶり増加、ぜい弱な回復 2004年 195万トン(2.5%増)、6,841億円(1.8%増)

平成16年(1月から12月)の塗料出荷は数量で前年同期比2.5%増の195万2,490トン、金額ベースでも1.8%増加し6,841億400万円と4年ぶりに前年を上回った。機械並びに金属製品分野が好調だったのに加え、自動車(新車)、電気機械分野が堅調に推移し下支えした。これに対し汎用の3大分野である建築用・防食用・自動車補修用は依然伸び悩み傾向が顕著であった。その一方で、塗料キロ単位は350円と2円80銭下落しており、アミノアルキド系、エポキシ系、ウレタン系塗料の価格が弱含み傾向を見せた。

 塗料需要は国内鉱工業の動きをストレートに反映するといわれてきた。しかし、家電製品や家具製品の大半は海外生産にシフト、情報関連製品の生産の中心は中国・アジアに移るなかで、需要構造が過去10年間で大幅に変化している。
 工業用需要を牽引する自動車(新車)の国内メーカーの海外生産比率は既に30%に達し、中国での乗用車の本格生産を控え「需要のピーク時は去り、良くて横ばい」との見方が支配的となっている。特にコストと品質の両面から塗着効率がここ数年で飛躍的に向上していることも需要量の減少につながっていると指摘される。
 機械並びに金属分野の好調もアジアへの輸出が伸びたのに加え、一部の分野での設備投資の回復が寄与したため。従って「一時的回復」との判断が主流となっている。
 これに対し、汎用分野が低迷の色を濃くしている。公共投資抑制が響き公的メンテナンス需要が大幅に減少。また民間分野でも改修先延ばしが常態化するなど「大型改修物件だけでなく中小物件を奪い合う、収益なき受注競争が繰り返されている」ため、施工単価は底ばい状況にある。また新築に関してもコスト優先の流れの他、乾式工法中心で塗料需要につながらなくなっている。
 自動車補修は車検延長など、車のメンテナンスに対する消費者意識が大きく変化したのが需要を直撃。「少々のキズなら直さない」といった感覚が一般的となり、一時注目された軽板金需要自体も急降下、自動車アフターマーケットは再編の主役不在のまま混とんとした状態が続いている。
 こうした状況から平成16年(1~12月)の出荷状況は、塗料需要期に重なる5月、10月に落ち込むなど、例年パターンに比べやや変則的に推移。要因は経済回復の跛行(はこう)性にある。一本調子で回復軌道に入るのではなく、塗料需要から見る限り足腰の弱い不安定さを抱え込んでいる。
 需要業界は原価低減の手を緩めておらず、大手ばかりでなく中小ユーザーからも価格圧力が強まっている。ウレタン系や粉体塗料など高級品目でも低価格品が一部で出始めた。ウレタン系の平均キロ単価は655円70銭から640円と1年で15円近くも下落。粉体塗料に関しても662円50銭から661円と微減。しかし、その一方でアクリル系、水性樹脂系、エマルション系、その他溶剤系など価格維持で踏んばりをみせる品目も増加した。
 メーカー、流通とも「売上より利益確保を最優先」する方向では一致しているため、ここ数年は「売上が伸びなくても収益が上がる」(関係者)構造に転換。とはいえシェアを高めない限り強いコスト構造への移行は出来ない台所事情で共通する。
 しかもコスト構造改善のレベルは企業により格差が大きく、体力のある企業がシェア争いを仕掛け、市場構造を力で変えてくることが十分考えられる。事実、塗料の各需要分野でトップ企業へのシェア集中傾向がはっきりしてきている。この傾向はより顕著になりそうだ。
 VOC規制まで1年余りのなかで、塗料の仕様が低VOCシステムに変わってくる。ユーザーにとってはコスト負担となる側面が強いが、環境経営が競争力に直結する時代認識を背景として価値(商品価値だけでなくブランドや企業価値を含め)を高める新しい塗装システムに向かうことは確実。業界としては塗料をひとつの素材として提供するのではなく、価値向上の手段として認知させる展開力が次の成長の元となってきた。(芹沢)


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