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2005年04月12日

マーケット:国内  技術

完全モジュール生産、視野に 自動車塗装ライン「大変革時代」

世界競争に勝ち残るキーワードは「モジュール生産の拡大による周辺分野の統合」―。トヨタ始め主要自動車メーカーが車づくりのコンセプトを抜本的に変えていくプロジェクトに着手した。これまでの一体成型プレスされたボディーを前処理、電着、中・上塗り、クリヤー、ワックスの工程を流すシステムから、車体構造が大きくモジュール化されることによって「モジュール塗装」を統合していくシステムに転換するとの見方が強まってきた。これに伴って、防錆仕様から膜化コンセプト、積層技術、鋼板やプラスチックの要素技術がゼロから見直される。

グローバル競争は車づくりの在り方の革新(ブレークスルー)が鍵になっている。総コスト削減を実現し、既存ラインでの最大パフォーマンスを発揮させることに成功した自動車メーカーの次の目標(2015年)は生産ラインを新たなコンセプトで再構築していく方向にある。
 ターニングポイントになったのが「日産リバイバルプラン」。99年3月にフランス・ルノーと資本提携した日産は、その年の10月に「日産リバイバルプラン」を発表した。供給先を絞り込みコストの大幅な削減を図るのが狙い。この総コスト低減は全自動車メーカーに波及し、トヨタは総原価低減活動(CCC21)を00年7月に発動。中核部品173品目をリストアップし、絶対購入価格(グローバル・ベンチマーク)を設定、2年余りで調達コスト30%削減を実現した。
 トヨタは03年度から、調達のコンセプトとして、不良・事故ゼロ徹底の品質技術の優位性CCC21の進化による原価低減グローバルスタンダードの確立を定め、原価低減をゼロから積み上げ、達成目標を実現する方式に切り替えた。
 ホンダはVEET(ビート=バリュー・エンジニアリング・エボリューション)チームを発足させ、総原価低減活動を行ってきた。
 原価低減活動と同時に自動車メーカーはモジュール化に着手。トヨタは90年代後半より内装部品の一部でモジュール化をスタートさせた。従来の部品選定までコントロールするやり方から、システムサプライヤー制を導入、調達権をサプライヤーに一任。03年2月発売の「ウィッシュ」ではブレーキ、インパネなどがモジュール化された。ホンダでも03年1月からメーンラインの工程数の差を解消することを目的にモジュール生産に踏み込んでいる。
 同時にトヨタは他社に先駆けて車種ごとに生産拠点を絞り込む生産再構築を展開。国内市場は大衆車と高級車の二極化が加速していることがその背景にある。特に同社の将来を左右する高級ブランド「レクサス」を今年度から投入するため、同社の完成車組立ラインのある田原工場の3ライン中2ラインをレクサス専用に切り替え、レクサス専用の塗装工程と検査工程を設け高級車品質の確保に万全の体制を整えた。田原工場で生産していた「クラウン」は元町工場に移行した。
 また02年の夏には田原工場で「グローバル・ニュー・ボディー・ライン(GBL)」を導入。この次世代ラインを世界標準モデルにする計画をスタートした。モジュール生産に向けた動きが始まっている。
 自動車は約3万の部品から構成されているが、トヨタでは日米欧で部品共通化を確立、これを全世界規模に進めるため、約2,000億円を投資しSMS(スペシフィケーション・マネージメント・システム)の基幹情報システムを立ち上げた。この稼働によって品番で一元管理することが可能になり、品質・価格面での競争につなげる。また、開発と生産の連動を高め、世界各地の時差を利用した開発分担を進める。

2015年プロジェクト始動

 トヨタなど国内主要メーカーにとって、トップコートクリヤーの水性化を残し「水性技術は90年代で確立」したとの立場。2010年までの塗料・塗装の技術テーマとして、品質に関わるテーマはUV硬化型耐擦り傷クリヤー、超扁平フレークや微粒子顔料、生産性ではUV硬化システムや水性ベースのプレヒート短縮、コストテーマは水性3Wet中上塗り、プレコート鋼板、環境テーマでは水性クリヤー、PVCフリー防錆副資材などを挙げる。メーカー各社によって温度差はあるものの、テーマの方向性はこれらに絞られている。
 トヨタは昨年、2015年プロジェクトに着手した。その内容は明らかにしていないが、完全モジュール生産の確立に向けられていることは間違いない。03年3月からは各クラスの車の世界一の軽量化を目指す「ME10」もスタート。
 モジュール生産の方向で自動車塗装は要素技術をインテグレートしていく方向から、モジュールごとのインテグレートに変化。モジュールパーツの塗装品質の整合性がテーマとなる可能性がある。大手塗料メーカーでも「もう従来の延長線上にある塗料技術や塗装技術では対応出来ない。ブレークスルー出来る技術で世界の自動車塗料をリードしていく」戦略が動き始めた。(芹沢)


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