ニュース
2005年07月12日
VOC排出抑制法、規制内容決まる 法制化に伴うこれまでの流れ
環境省が進めてきたVOC排出抑制規制は、6月10日に「大気汚染防止法施行規則の一部を改正する省令」及び「揮発性有機化合物濃度の測定法(環境省告示)」が公布され、来年4月1日付で施行されることが決まった。引き続き討議されている自主的取り組みと合わせ、具体的な対応段階に入ったといえる。改めてこれまでの経過を振り返ってみる。
VOC排出抑制法に関して、具体的検討に入ったのは、2003年9月。環境省大気環境部会は私的機関として、揮発性有機化合物排出抑制検討委員会を発足。VOC排出抑制対策の枠組み策定を目的にした同会は計5回の討議を重ね、VOCを「排出口でガスとなる有機化合物」として定義し、排出口における濃度規制で行うという枠組みを決めた。
枠組み策定を含めたとりまとめは、2003年12月に上部機関である中央環境審議会大気環境部会に送られ、法制化に向けた具体的進展を迎える。2004年1月までに計4回の討議が行われ、その結果、環境省は法規制と事業者の自主的取り組みを組み合わせた“ベスト・ミックス”による削減策を導入することを決めた。つまり法規制の対象は排出量の多い大規模事業所を対象とし、それ以外の中小の事業所については、自主的取り組みによって削減するというもの。またここで、法規制の対象施設として、塗装施設化学品製造施設工業用洗浄施設印刷施設VOC(ガソリン)の貯蔵施設接着剤施設の施設類型分けを策定した。排出口の濃度基準の遵守の義務付け、都道府県への届出と合わせて2004年2月3日に中央環境審議会の意見具申として環境大臣に報告された。その後、3月9日に「大気汚染防止法の一部を改正する法律案」は閣議決定され、5月26日に公布された。
公布後は2年以内の施行に向け、政省令によってVOC排出施設の指定、測定法及び排出基準の設定などを討議することとなった。これを討議する機関として、2004年7月に「中央環境審議会大気環境部会揮発性有機化合物排出抑制専門委員会」及び「同部会揮発性有機化合物測定委員会」がそれぞれ開催。また「同抑制専門委員会」は類型施設の現状把握と実質的な対応を図るために6小委員会を組織。既報の通り、小委員会での議論は、経済的損失を抑えたいとする業界側と強力にVOC削減を実施したいとする学識者との間で、毎回白熱したものとなった。2004年7月22日、貯蔵小委員会から始まった小委員会は2005年2月3日の塗装小委員会が終わるまで、それぞれ5回の討議が行われた。
この段階では具体的な数値基準を策定するべく各小委員会では、業界の実情に合わせた削減対策の在り方を討議した。また環境省はこれと並行して産業界の現状を把握しようと実態調査とアンケート調査を実施。その結果、環境省は対象施設となる潜在的年間VOC排出量の裾切り50トンとの数値を議論のたたき台(やがてこの数値は実質的なものとなる)として初めて発表した。それに伴い各委員会は施設類型に合わせた規模要件及び排出基準を詰めていった。塗装施設に限ると規制対象施設は、塗装施設(吹付塗装に限る)吹付塗装以外の塗装の用に供する乾燥または焼付施設(電着塗装を除く)に分類。また規模要件及び排出基準値をそれぞれ排風能力10万/時・700ppm、1万/時・600ppmと決めた。また自動車製造の用に供する塗装施設(吹付塗装に限る)においては、既設700ppm、新設400ppmと定めた。
一方、測定方法についても、触媒酸化-非分散形赤外線分析系(NDIR)及び水素炎イオン化形分析計(FID)を用いることが適当とし、更に浮遊粒子状物質及びオキシダントの生成要因とならない物質を除外することを決めた。
これらの検討結果は、パブリックコメントを経て、3月30日に委員会報告書としてまとめた。その後、中央審議会は4月8日に環境大臣に答申として報告し、6月7日に閣議決定。6月10日に冒頭の通り「大気汚染防止法施行規則の一部を改正する省令」及び「揮発性有機化合物濃度の測定法(環境省告示)」が公布され、来年(平成18年)4月1日の施行が決まった。
これがVOC排出抑制法に関するここまでの流れとなる。今後、現在審議されている自主的取り組みと合わせ、2010年までに2000年度比30%削減を目指すことになる。
★★★★★ニュースランキング
※1日一回データルームページで集計結果が更新されます。