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2005年12月16日
「張って塗る」工法確立(内装用) 安全塗料 ドライウォール専用下地ペーパー開発
意匠・色彩の面でインテリアペイントへの関心が高まっているが、その最大の阻害要因となっているのがビニルクロスに比べて割高感があることと、下地の動きを拾ってクラックが入る点。内壁材に広く使用されている石膏ボードなどのドライウォールは、建物構造の動きをそのまま塗膜に反映させるため、どうしてもクラックは避けられない宿命だった。従来からある下地ペーパーもコストがネック。安全塗料(本社・東京、社長・溝口一成氏)は大手ハウスメーカーなどと共同でドライウォール対応の下地用ペーパー「ワンダーペーパー」(商品名)を開発。来年1月より本格販売する。「手軽にコストも軽減出来る 「張って塗る」工法が確立された。インテリアの世界でペイントの良さが認知される突破口としたい」(溝口社長)と普及に意欲を見せる。
安全塗料は内装分野に塗装を普及させていく阻害要因となる「施工難易度」解消に取り組んできた。同社は米国のICIグリデン「デボーペイント」の輸入販売を行う中で、ハウスメーカーへの販促に注力してきたが、常に壁となったのがクラック問題。ペイントカラーの良さやカラーバリエーションは評価されても「ヘアークラックすらダメを出される」(溝口社長)という現実に直面した。
これではいくらペイントカラーの独自性を訴えても本格的な普及は難しいと直感し、塗料メーカー、施工業者、ボードメーカーに対しアプローチをしたが、いずれもインテリアペイントを普及させるコンセプトに積極性がなく、タコツボの中から出ようとはしなかった。その一方で「ビニルクロスの限界」は市場の声として一段と強まってきた。
安全塗料は大手ハウスメーカーに働きかけるとともに、ベンチャーのクロス会社などとタイアップし、全く新しい発想の下地ペーパーの開発に着手、それが2年前のことになる。ハウスメーカーとは住宅展示場などでデボーペイントを内装用に採用してもらった関係からタイアップ。今年1年間はハウスメーカーのプライオリティ(優先独占)で開発した下地ペーパーの実績を積み上げてきた。
1年間の実績では、下地ペーパーの上からデボーペイントを塗った内壁でのクラック発生は1件もなく、採用したハウスメーカー担当者も驚くほどの成果。しかも評価ポイントとなるビニルクロスのように張る作業性に関しても「十分使える」との判断がハウスメーカーから下されている。
開発したドライウォール用下地ペーパー「ワンダーペーパー(WONDER PAPER)」(商品名)の原料は紙繊維(パルプ)やレーヨン、ポリエステル不織布などを使用。品質はJIS A6921に該当。F☆☆☆☆認定。不燃・準不燃適合。定価は650円/。廃棄しても通常の紙製品と同じ安全性を確保。最大のメリットは、一度張れば壁紙のように張り替えの必要がなく、そのままペイントを塗り重ねるだけで室内空間のイメージを変えていくことが出来る。通常10回程度塗り重ねても風合いが損なわれず、メンテナンスが作業並びにコストの面で大幅に軽減され、トータルコストで「安物のビニルクロスを上回るパフォーマンスがある」としている。
下地ペーパーは厚さ0.3mm、98幅の25m・50mロールで供給。ロール巻きは塗装面保護のため内表で巻いてあり、表面はペイント付着を良くするためザラザラとした和紙のような感触。重量はm2当たり167g。
下地ペーパーを張る前に下地を均一に処理することがペイントの仕上がりを美しくするコツ。そのため下地がモルタルやケイカル面の場合、サンドペーパー仕上げ後にシーラー処理。パテのサンディング後も十分ブラシ掃除しカスの付き残りのないようにする。また石膏ボードと合板などの異なる素材のジョイント部にはグラスファイバーテープによる処理を行う。天井を施工する場合は不陸調整が必要となる。
接着剤には一般壁紙用でんぷん糊を使用し、下地と壁紙の間に空気が残らないようブラシで丁寧に伸ばし張りする。壁紙のジョイントのあわせ切りをする場合、下地ボードに下地保護テープを使用する。目開きなどは圧着不足が生じるため、均一に作業を進める。糊付け後のオープン間隔は5~20分程度。
ペイントは下地ペーパーを貼り付けた糊が十分乾燥してから塗装に入る。ペイント後に万一フクレが生じたときはビニルクロスの補修と同様に注射器などで糊を充填して手直しが可能。
安全塗料は大手ハウスメーカーでのプライオリティ契約の切れる来年1月から「ワンダーペーパー」を発売する。下地ペーパー+ペイント工法「デボーペインティングウォール」としてデボーペイントとのセットで展開する一方で、下地ペーパーのみの販売にも注力していく。下地ペーパーの実績は10カ月間で約5000m2に達し、クレームはゼロ。同社の受注残として来年4月まで4000m2ある。在庫は常時3000m2をストックし、来年1月からオープン販売に対応していく。
◇溝口社長のコメント
「内装分野でペイントを普及させることが塗料業界の底上げにつながることが分かっているのに、ネックになっている課題に対し誰も取り組もうとしてこなかった。壁装業界の人たちは当然塗装を普及させようとは思っていない。「張って塗る」ことがベストとは思わないが、ドライウォール対策として大きく工法自体を変える必要がある。今回の下地ペーパーはその突破口に過ぎないが、まずインテリアにペイントを持ち込むことが重要。その先に根本工法を変えさせる力が塗料業界に生まれることを信じたい」
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