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2006年03月21日

法規・法務  環境  行政・団体

VOC排出抑制自主的取組、検証の在り方未定 中環審専門委 

環境省中央環境審議会大気部会の揮発性有機化合物排出抑制専門委員会(坂本和彦委員長=埼玉大学大学院理工学研究科教授)はVOC排出抑制自主的取組の在り方について、22日の委員会で概要をまとめた。計画ではVOC総排出量の3割削減を目標としているが、このうち2割程度が自主的取組の成否にかかっていることから、実施主体や検討・評価・公表の在り方など具体的な問題点が検討されてきた。次回の3月30日の委員会で最終報告をまとめ大気部会に答申する。自主的取組の枠組についてまとめた。


自主的取組の促進について、中央環境審議会は昨年4月8日付で、次の5つの論点に絞り、専門委で検討するよう要請していた。論点は1)取組主体2)取組対象3)実施方法4)削減目標5)取組内容。改正大気汚染防止法は法規制と自主的取組の両面で、政策手法を適切に組み合わせる(ベストミックス)ことを基本としており、法制度としては初の試みとなるため、運用についての議論が深められてきた。今回の専門委でも国と自治体の役割や省間連携の問題、未対象業者の扱いなど、問題点が委員から指摘された。

誰が実施主体なのか


実施主体については「民間(個別企業及び業界団体)が自発的に排出削減取組を行い、必要な計画や指針についても民間が自ら作成する」との基本的立場を明らかにし、個別企業と業界団体の役割分担については一律に決める必要がないとしている。このため実施主体は削減計画の策定、対策の実施、進捗状況の検証・評価及び計画のフィードバックをする必要がある。

計画の内容について


計画の内容は、計画の目的、計画期間、計画目標及び具体的取組内容などを記述。具体的には業界団体が一括して計画を策定するケースや、計画指針の策定のみを行うケースなどが想定される。業界に所属する個別企業はこれらを活用する。計画期間については法が施行される平成18年度からを始点とし、22年度まで単年度単位で毎年計画を作成し、20年度の中間年度を入れるなどの案があるが未定。


計画目標に関しては、自主的取組の性格から規定されていないが、固定発生源からのVOC総排出量を平成12年度から平成22年度までに3割程度削減する目標があるため、個別企業の削減努力を要請していく方針。評価指標としてVOCに該当する個別物質の排出量削減であっても、排出されるVOC総量を明記する。

計画と指針の作成


計画作成のための指針は大きな論点となった。個別企業が計画を作成するための指針を業界団体が作成するか否かは「業界の実態に応じて任意に判断するべき」というのが基本姿勢。一方、行政は「業界を横断した共通の理解・対応を醸成することを目的として、計画に盛り込むべきと考えられる事項を示すことが望ましい」としている。


ここでいう行政とは国と自治体レベルの対応があり、業界団体に属さない業者や自主的取組を実施しない業界団体に対し、排出実態を把握し、自主的取組を促進する役割の在り方について、「行政責任を明確に出来る役割分担が必要」との意見が出された。

検証・評価・公表の在り方


検証・評価は、自主的取組を行った主体がその結果を含む報告を作成し公表する。報告形式は独立した報告書を作成する他、個別企業や業界団体が作成する環境報告書の一節に組み入れる形式も可。公表方法は文書によるか、またはインターネット上のウェブサイトの掲載も考えられるとしている。


報告の内容は1)VOCの削減状況2)計画の達成度3)取組への努力の度合いなどの項目で、実施主体が自ら検証・評価する。自己評価を補完するものとして、ISO14001などの既存の第三者評価結果を報告に盛り込むことも考えられる。


排出量の算出方法に関しては、従来からの特定化学物質に関する法律に基づく排出量・移動量報告や、有害大気汚染物質の自主管理などの共有知見の活用、また同時に環境省が今後実施するVOC排出インベントリーの算出作業における排出原単位や処理効率などの情報を利用していく。また行政は自主的取組で効果を上げている個別企業や業界団体に対し、名称を公表し優良事業者として顕彰するなどのインセンティブを与える。


第三者による把握・評価を誰がするかがあいまいな点について、委員からは業界団体のデータを集約する機関の主体を明確にすべきとの意見が出され、国や自治体レベルでの把握・評価体制が不可欠の方向にある。

アウトサイダー対策


未対応業界・事業者に対しては自主的取組への参画を促進していく。このため行政はVOC排出インベントリーの作成の過程において、VOC排出の可能性がある新規業種・業態を把握するとしている。しかし、行政が直接これら業者と接点を持つことは難しいため、政府公報や行政機関窓口を通じた普及啓発に努める方針。

地域単位の今後の課題


地域単位で自主的取組の計画を策定し、検討・評価を行うことを事業者に求めることに関し「現時点では必ずしも必要ではない」との考え。その理由は固定発生源からのVOC排出が原因となって大気環境の状況が悪い地域とそうでない地域を区分することが困難なため。また光化学オキシダントの環境基準達成状況が全国的に低い状況で推移していることがある。


その一方でマクロ的な観点から地域別のVOC排出量が算出可能か、VOC排出インベントリーの中で検討していくとしている。

自主的取組支援の方策


VOC排出抑制対策で有効なのは、塗料やインキ・接着剤などの低VOC化と処理装置の導入。これらは製品価格の上昇や性能の低下などの影響が出る可能性があり、自主的取組に積極的な事業者に対するユーザーや一般消費者の理解を深めていく必要がある。支援措置としてはグリーン購入の拡大、エコマークなどの環境ラベルの普及の他、行政はセミナー開催やウェブサイトでの公報、啓発用のパンフレット作成などを行っていく。また低価格・小型のVOC処理装置、VOCの簡易測定法、低VOC塗料・インキなどについての技術評価やその情報の提供を行う必要があるとしている。



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