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2006年06月30日

企業動向

R&D体制刷新、世界標準へ 関ペ 合成樹脂開発を統合

関西ペイント(社長・小林正受氏)はグローバルスタンダード=世界標準を目指した合成樹脂開発を進める。このため自動車用、工業用、汎用などに分散していた合成樹脂開発体制を改め、R&D本部・SR研究所(所長・伊藤悟氏)に統合、水性樹脂を始め粉体樹脂、UVキュア樹脂などの合成樹脂の開発レベルを一気に高めていく。「事業部別を解体し、アメーバ的な組織として開発スタッフが持てる力を組織力として発揮出来るようにして、世界に誇れるようなパフォーマンスの高い合成樹脂を開発する」(伊藤悟所長)方向を目指す。合成樹脂は塗料技術のコア(核)となるだけに、同社のグローバル展開を支える推進力としての使命がある。

かつて同社の合成樹脂技術開発は技術研究所第1部が担当してきたが、4年前から事業部セグメント別に分散する体制で進められてきた。自動車塗料の合成樹脂を開発する面では、一気通貫でスピード感のある開発がとれるというメリットがあった。その一方で「事業部間の連携が悪くなる傾向」(伊藤所長)があることは否めなかった。セグメント間を調整する分科会を設け、開発テーマや情報の共有化を図るなどの対策がとられてきた。
しかし近い将来に向けた合成樹脂開発の目標レベルが大きく変化しており、ハードルの高いテーマが設定されるようになって、分散型から一元・統合型に組織変更。開発スタッフの担当分野と責任を明確にするとともに、技術担当分野ごとの垣根を低くしたアメーバ組織とした。「浸透膜のように共有化すべき情報の流通が円滑にいくようにする」(同)のが狙い。
こうした背景には同社のグローバル拠点構築が一巡し、いわば拠点整備からネットワークを活用した他社に対する優位性を発揮していく時代に入ったとの認識がある。事実、海外拠点での合成樹脂はタイ拠点の集中生産・供給から他のアジア圏諸国での生産の方向を視野に入れた展開を図っていく。
また世界市場レベルでの競争力の面から、合成樹脂技術の抜本的な底上げが不可欠となってきた。塗料の性能を決定づける合成樹脂開発レースで世界最先端のレベルを確保しない限り、グローバル競争の基盤を作れないとの判断がある。
複合化技術が鍵
合成樹脂開発の中期目標は新次元を目指すものとなる。グローバルスタンダード(世界標準)合成樹脂の条件として1)世界どこでも供給出来る水準2)幅広いアプリケーションに耐えられる高性能3)コスト競争力の3点がポイントと指摘する。
同社は合成樹脂の合成プラントを国内とタイ拠点に集中し、生産・供給を図ってきた。しかし拡大する海外生産に対応していくため、中国拠点での生産、インドの子会社・グッドラスネロラック社の自前の合成樹脂生産設備を利用、次の展開として「世界どこでも合成出来、安定性のある合成樹脂が求められている。重合プロセスもなるべくシンプルでありながら、高度な合成樹脂を供給可能にしていきたい」(同)との指向。
新規合成樹脂開発では「複合化」が鍵になる。当然、各国や地域ごとに異なる環境規制をにらみ、最も環境パフォーマンスの高い合成樹脂を設計しなくてはならない。「例えば天然系に由来するグリーンポリマーとの複合化(ハイブリッド技術)がある」(SR研第1研究部・神門孝司部長)と説明する。「世界的に環境規制がどう動き、これに伴って原材料の調達などの変化までを見据えた樹脂設計にする必要がある」ともコメント。
従来の合成樹脂開発では、自動車用・工業用と建築用などの汎用樹脂は別物との発想が厳然とあった。SR研が目指すのは「その上を行くレベル」(神門部長)という。新規合成樹脂は自動車用から建築用までアプリケーションが可能な未踏の水準。
しかも世界競争を舞台にしたコスト競争力も合成樹脂開発に求められる。グローバルスタンダードの方向で合成樹脂を統合していければ、コストパフォーマンスも高まる。スケールアップによる量産効果性も開発の基本条件となる。
職人魂と内外連携へ
開発レベルでのモノ作りの在り方が問われてくる。「開発スタッフの能力アップは組織的であらねばならないが、一人ひとりのいわば個性を殺しては高いハードルは越えられない。独創性と作り方へのこだわりのある職人魂を育てていきたい」と神門部長。そのためには同じフォーマットを共有化しつつも、それを融合出来る柔軟性がないと開発を活性化出来ないと考える。
伊藤所長は「塗料における合成樹脂は顔料などの成分をつなぐバインダーであり、他のCD研などとの協力がないと実用展開には至らない。そのために、SR研自体の風通しもさることながら、社内の持てるノウハウとの連携で生産技術部門とタイアップする他、対外的な技術連携を活発化させる。インテグレートしていくためには、守秘義務とコンプライアンスをベースにオープンマインドにしていかなくてはならない」との発想を強調する。(芹沢)


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