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2006年12月05日

マーケット:国内  法規・法務  環境

GHS準拠、改正安衛法施行 絵表示で国際統一、MSDS修正も

GHS(化学品の分類及び表示に関する世界調和システム)に準拠した改正労働安全衛生法が12月1日より施行される。これに伴って塗料類(化学物質)の表示制度が大きく変わるとともに、MSDSの対象物質が増え、修正されることになった。表示(ラベリング)ではGHS分類に基づいたドクロや炎のマークが付き、国際的なルールの下に統一化される。国連勧告によるGHS実施では日本が初めて、国連では各国に2020年までの実施を求めている。

今回のGHSに対応し安衛法を改正するといった主旨がやや分かりにくいと受け止められる理由として、GHSと安衛法はイコールではないとの認識が浸透せず、その違いの理解不足によるところが大きい。まず両者は対象が異なり、GHSが国民レベルを対象としているのに対し、安衛法は労働者の安全と衛生確保の立場に立つ。


またGHSは原則としてすべての化学物質が対象であるが、安衛法はMSDS公布物質640物質(638物質から2物質追加)が対象、化学物質が限定されている。「両者は別ものとの前提が必要」(厚生労働省)とコメントする。


特に注意を要するのは、GHSの理念として「あらゆる化学物質の情報を分かりやすく伝える」とのスタンス。このため化学品を扱うすべての事業所(扱い量は関係ない)が、化学品を安全にハンドリングするという高い理念の下に自主的判断で対応することが求められる。これに対し安衛法は法規制の枠でのミニマム(限定付き)対応が原則。


とはいえGHSに準拠する形で安衛法が改正されたため、改正安衛法では安衛法で定める92物質及びその混合物に対する表示義務(法第57条、罰則:法119条)安衛令で定める638物質及びその混合物に対するMSDS交付義務を定める。GHS(国連勧告)に基づく約1,500物質については国が既に分類し公表(製品評価技術基盤機構のホームページ参照)している。


改正前の安衛法は化学物質の有毒性(発がん性など)のみを対象とし、絵表示がなかった。改正ではGHSに準拠し絵表示を導入した他、化学物質の危険性(引火性など)も対象に追加。業者の義務としてラベル変更(GHSタイプの標章)、MSDSの修正(GHSタイプ)、対象物質の追加(表示対象物質8物質、MSDS交付対象物質3物質)、混合物についての裾切値の見直しに対応する必要がある。


法令上で規定されている混合物の裾切値(濃度下限値)が、表示対象物質については0.5%、1%、3%、5%、10%が0.1%、0.3%、1%、裾切値なしに改正。MSDS対象物質についても1%(ベンゾトリクロリド0.5%、ベリリウム合金3%)が0.1%、1%、裾切値なしに改められた。


改正法施行の経過措置として、裾切値1%未満の物質については平成20年11月30日までの間は表示・文書交付の対象としない他、追加される危険物や裾切値が下がったことで追加される混合物で施行日において在庫するものの扱いは19年5月31日までの間改正政省令は適用されない。また改正前に規定を満たす在庫についての標章(ラベル表示)は19年5月31日までの適用が除外される。

※追加物質、表示対象物質:1)ニトログリセリン2)ニトロセルロース3)ピクリン酸4)過酸化水素5)硝酸アンモニウム6)次亜塩素酸カルシウム7)エチルアミン8)1.3-ブタジエン。MSDS交付対象物質:1)ニトロセルロース2)硝酸アンモニウム3)次亜塩素酸カルシウム

GHS専用支援ソフト開発 日塗工


日本塗料工業会(会長・小林正受氏)はGHSに準拠した「塗料専用GHS対応MSDS・ラベル作成支援ソフト」を開発、12月1日より施行される改正労働安全衛生法へのスムーズな対応に役立てていくという主旨。


同ソフトは市販ソフトより安価なのに加え、混合物で調色品を含む塗料の特性を踏まえた塗料用配合分析機能を付与したところに特徴がある。このソフトを使えば日塗工のデータベース掲載の塗料用化学物質についての日塗工コード入力も可能になり、今後予想されるMSDS関連の追加物質への対応も容易になる。またラベルをプリンターで出力したり、MSDSを簡易にアウトプットできる。


既に同ソフトは9月の「GHSシンポジウム」で紹介されていたが、今回最終版が完成。東京・大阪でのデモンストレーションを見た会員5社が導入を決定し、15社ほどから引き合いがある。
日塗工が会員会社を対象にアンケート(回答60社)したところによるとGHS並びに改正安衛法への対応ができている水準は40%程度にとどまり、遅れ気味であることが判明。該当製品のラベリング、MSDSの手直しは待ったなしのため、駆け込みすれすれの状況にある。「何とか間に合わせたい」(中小塗料メーカー担当者)とあせりの色が濃い。特に「GHS分類ができない」との声が強く、日塗工ではそうした場合は「無理に分類しようとせず、分類できないとした方が良い」と指導している。


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