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2007年03月19日

企業動向  技術

携帯、水性UVを初採用 カシュー 低VOC化の突破口に

カシュー(本社・埼玉県大宮市、社長・清水龍氏)は初めて携帯電話向けに水性UVクリヤーが採用されたことを明らかにした。VOC規制がスタートしたが携帯電話などモバイル製品分野の低VOC塗装システムの採用はほとんど進展していなかった。その理由として、これらの塗装施設が直接規制対象ではないことと、コストアップ要因を避けたいとの思惑があった。しかしEUのRoHS(ローズ)やREACH(リーチ)規制を背景として「いずれ対応せざるを得なくなる」とユーザーマインドも変化してきた。

カシューは携帯電話に特化したプラスチック塗料事業を進め、ノキア、モトローラ、ソニー・エリクソンなど海外大手すべてに供給し事業を拡大。売り上げに携帯端末向けが占める割合は30%を超えている。
低VOC塗料へのシフトが早く、2年前にはプラスチック用水性塗料を開発し市場展開を開始。しかしユーザーの反応は鈍く「実ラインのテストは数回したが採用されなかった」(技術開発担当者)という。
水性転換のネックとなったのが、導入に伴う設備投資の問題。水性ならではの乾燥設備に切り替えなければならず、設備更新のタイミングに合わせたいとのスタンスがある。このため実ラインで評価されても採用に踏み切るケースがなかった。


今回同社の水性UVクリヤーが採用された理由として、乾燥設備などの改良が進み導入しやすい環境となったことに加え、水性塗料ならではのメリットが高く評価されたことがある。水性UVは下地となるベースコートを侵すことがないため、クリヤーの透明感が際立つという特長を持つ。「外観品質の向上につながった」(同)点が大きな採用理由となった。
従来のベースコートの上に塗装されるUVクリヤーコートは、クリヤーに含まれる溶剤分がベースコートを溶かし、濁る傾向があった。この問題は水性塗料で一気に解消、しかも開発された水性UVクリヤーのVOC含有量は10%未満のため、携帯電話塗装ラインにおける低VOC化を促進することができる。
また水性UVクリヤーの性能は溶剤系に匹敵するレベルにあり、トータルな塗装系としては溶剤系を上回っている。同社は今回の採用を突破口として、水性UVクリヤーの採用拡大とともに、水性ベースコートとのシステム展開にも注力していく方針。「実績ができれば横展開もしやすくなる。ユーザーがメリットを感じられる形で設備などを含むサービス力を強化していきたい」(同)とコメント。


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