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2007年04月10日

法規・法務  環境  行政・団体

30%削減(日塗工削減目標 )達成に"黄信号" VOC排出 基準年に比べ11.8%減

日本塗料工業会(会長・小林正受氏)の「VOC排出抑制自主的取組」に黄信号が点滅している。過去3年間(平成15年度-17年度)における塗料からの総排出率にほとんど変化がなく、平成18年度までに基準年である平成13年度の排出量45.1万トンの30%を削減するといった自主目標の達成が危うくなっている。日塗工がこのほど修正した平成17年度のVOC排出量は39.8万トンで、平成13年度に比べ11.8%の削減、残された1年余りで18.2ポイント削減する必要がある。「ユーザー業界とともに更なる推進に注力したい」(日塗工)としている。

日塗工は平成15年12月、自主管理目標を発表し、平成18年度までにVOC排出量30%削減、平成20年度には50%削減を掲げていた。この間各需要分野別の排出実態を調査するなど削減に向けた土台作りに努め、需要家へのPRを行ってきた。
平成18年4月に施行された改正大気汚染防止法は、直接的に規制対象となる施設が200-300に限定されるため、需要側の自主的取組が焦点となっている。しかし塗装を下請けしている中小企業にとって低VOC対応はコスト負担となり、自主的取組に対する意欲が低い実態がある。また下請けに発注する企業自体がコスト削減を至上命題としており、品質維持優先の立場から低VOCスペックの採用には消極的だ。
日塗工は先頃「平成17年度のVOC排出量は37.7万トン、平成13年度(基準年)の16.4%減」と発表。ところがその後、需要分野からの排出量の修正が必要との判断から、最新の実態に基づいた排出係数(加重平均)に改め排出量を計算したところ39.8万トンとなった。これは平成13年度比11.8%の削減率となる。


修正による差が目立ったのは金属製品で、排出係数が平成16年度の25から平成17年度63に改められた。スプレー塗装の比率が高まったと日塗工では説明している。その他、建築資材91、自動車(新車)75、自補修94、電気機械85、機械93、木工製品95。排出係数の低下は鈍い。
環境省は中小企業でのVOC対策を推進するため塗装向けの「VOC削減の手引き」(小冊子)を作成し、VOC削減のメリットを訴える。メリットとしては1)塗料の使用量や飛散量が減ることで大気中のVOC排出量が低減2)作業環境が改善され、従業員の健康・安全の促進・清掃コストや産廃コストの削減3)ロス・ムダの排除につながり、環境に配慮している企業であることをアピールできる点などを挙げる。
またテーマとして低VOC塗料の導入、すぐできるVOC対策、塗着効率の向上など、具体的なプロセスを解説。できるところから推進するVOC排出削減を分かりやすく説明している。


VOCの排出量推計方法の見直しを行っていた環境省のVOC排出インベントリ検討会は9日、既報の通り報告書案をとりまとめた。それによると発生源を追加するなど12品目から31品目に枠を拡大するとともに、新たなデータを盛り込むなど精度向上を図った。塗料に関しては日塗工の調査データなどに基づいて2005年度の塗料からのVOC排出量は39万トンと推計。日塗工の40.9万トンに近い数値に改められた。改訂前のインベントリでは総VOC排出量で50%以上を占めていた塗料は2005年のインベントリでは30%と「実態を反映した比率に近い」(業界関係者)ものとなった。
しかし改訂インベントリとのすり合わせ問題以上に、日塗工の自主削減の目標の達成が難しくなっている問題は単に「達成できなければ(18年度に)見直しすればいい」(関係者)で済むことではない。もっと達成に対する厳しい立場をとり、内外に日塗工の自主的取組の先行性と独自性を示していくべきなのだ。そのためには大手のOEM塗料需要家に対して低VOC採用を促進すると同時に、生活者に対するキャンペーンが必要ではないか。自主的取組目標の達成は日塗工のみでなく塗料産業として「鼎の軽重」が問われている。(芹沢)


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