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2007年04月11日

企業動向  環境

竹中工務店 塗料缶リサイクル運用開始 前田製作所と提携、塗装産廃減量化に挑む

竹中工務店はゼネコンとして初の塗料缶リサイクルシステムの運用を始めた。環境大臣認定の広域認定を持つ前田製作所(本社・東京都台東区、社長・前田磯友氏)と提携することで、プラスチックペール缶の製造から再利用まで一連の運用システムを構築。今のところ京阪神地区限定での運用だが、協力企業の参画を仰ぐことで運用範囲の拡大も視野に入れる。建設業界にとって産廃物対策は急務の課題。同システムがどこまで普及するか、業界の対応が問われている。

塗料廃缶のリサイクルシステムは昨年スタートしたばかり。同社の協力会社で構成する「竹和会」の京阪神地区の塗装部会がシステム構築に尽力した。同部会では7年前から建築産廃物対策に取り組み、塗料缶や養生資材の減量化に着手。内袋式プラスチックペール缶やダンボール容器の利用、また土に戻る生分解性ビニル製副資材などについて検討を続けてきた。
塗料缶リサイクルは一時期、塗料メーカー主導でプラスチックペール缶やダンボール容器を普及させる気運が高まった。しかし、内袋式プラスチックペール缶では「二重ナイロンは塗料が残り使いにくい」「回収システムに乗らない」という課題があった。またダンボール容器についても「攪拌時に箱を傷める」「野積すると倒れる」などの欠点があり、普及には至らなかった。生分解性ビニル製副資材もコスト高から実用は見送られ、回収効率とコスト、そして収集運搬が常にハードルとして立ちはだかった。その中で今回、実現可能なシステムとして目をつけたのが広域認定を持つ前田製作所との提携にある。

広域収集運搬が可能


広域認定制度とは、廃棄物処理法第15条4の3で定められた廃棄物処理に関する特例制度。環境大臣の認定を受けた製造、加工、販売などの事業者は、運送会社とともに認定を受けることにより収集運搬・処分とも処理業許可が不要になるというもの。つまり、現在産廃物の収集運搬処理には、自治体ごとに許可取得を要するがそれらを不要とし、事業者及び運送会社双方の契約により全国的な回収システムの運用が可能になる。


前田製作所は創業62年を迎える産業用容器メーカーで、合成樹脂メーカー、シーリングメーカー、石油元売り企業などを取引先に持つ。1987年にプラスチックペール缶の製造販売を開始。その後、回収から処理、再生加工までのシステムを確立した。今回、容器メーカーである同社が2005年に広域認定を受けたことで、リサイクルシステムの実現化に向けて大きく前進した。ちなみに製缶メーカーで広域認定を有するのは同社のみ。


システムの流れとしては、各地区の連絡先がプラットフォームとなり、排出事業者から回収依頼を受け、契約運送会社に回収を依頼。運送会社は現場で塗料缶の回収を行い、中間処理場へ運ぶ。その後、リサイクルセンターで分別、破砕、粉砕し、造粒センターで再生化される。運送会社は赤帽を中心に128社と契約している。

メーカー、販売店に協力を


しかし、運用面ではまだまだ課題は多い。まずは缶を購買する塗料メーカーの協力が欠かせない。昨年、塗料メーカー十数社に向けて参画を要請したが、現時点で参画しているのは数社にとどまる。缶代が金属缶より高くなることや充填作業の手間、納期が遅くなるなど塗料メーカーの負担が大きくなるからだ。更に18Lの丸缶のため積載率が悪化し、かつトラックの積載が2段までしかできないなど物流面でのロスも出る。発注主、施工業者の理解と協力が不可欠。
また回収面においても課題を残す。現在、赤帽を中心とする128社の運送会社が回収業務を行っているが、一現場当たり50缶以上の残缶を回収の条件としている。小規模な現場では50缶を下回るため、竹中工務店はその対応策として少量回収及び一時保管場所として塗料販売店に協力を仰いでいる。これについても昨年、塗料販売店数社が参画した。


建築廃材の減量化は急務の課題。竹中工務店では現在、石膏ボード、ALC、鉄、塩ビパイプなど12種類の建築廃材の分別化を実施。また5,000m2以上の物件においてはゼロエミッションモデル現場として、90%以上のゼロエミッション化を実現している。その中で塗料缶は「体積的に圧倒的に多い」(竹中工務店担当者)と対策の難しさを指摘する。


今回のリサイクルシステムは竹中工務店、塗装施工店、前田製作所を中心に塗料缶の減量化を実現する画期的システムとして位置付け、普及推進に強い意気込みを見せる。竹中工務店は「塗料メーカー、塗料販売店への協力を要請しつつ、業界全体のシステムとして推進へとつなげていきたい」としており、更に国や行政にも働きかけていきたいとしている。(近藤)


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