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2007年05月21日
新生"恒和化学"スタート 塗装と防水の融合で競争力高める トップインタビュー
恒和化学工業がスタートした。建設化学材料を総合的に供給できる「コンストラクションケミカル」へのニーズが高まる中で、既に市場でブランドが確立されている外装材事業をグループに迎え、総合対応力の地歩を固める。加えて塗装と防水の両分野にまたがる技術の融合を進めることで独創性のある製品開発を行い、競争力を高めたい意向だ。民事再生手続き中だった恒和化学工業は昨年12月、スポンサーとして支援を行っていたダイフレックスホールディングス(当時)との間で事業譲渡契約を締結。今年1月17日に東京地裁より事業譲渡の許可がなされ、2月1日付でダイフレックスホールディングス全額出資の子会社として新たにスタートした。代表取締役会長・三浦慶政氏、取締役社長・賀川正義氏がそれぞれ就任。 ダイフレックス(4月に社名変更)はウレタン防水材の大手メーカーで、防水材販売、土木構造物保護などのグループ企業を傘下に持ち、年商は約110億円。今回、恒和化学工業を加えたことで年商160億円規模をうかがう、防水材最大手のグループに躍り出ることになった。 大手供給メーカーが競合する防水材市場にあって、シートと塗膜防水の複合化工法や超速硬化機械化工法、施工の組織化による責任施工体制の構築など数々の独自戦略を打ち出し、市場でのポジションを確立してきた。 同社が次の展開で指向するのは「コンストラクションケミカル」への業態移行。コンストラクションケミカルとは、塗料、防水材、接着・シーリング材など建物に関わる化学材料をトータル的に供給できる事業形態のことで、例えばシーカ(スイス)やBASFによるデグサの建築部門買収などがその例。世界的な視点では既にスタンダードな形態となっている。 これに対して国内では、塗料メーカー、防水材メーカーなど供給側の領域は区別されたままで融合は進んでいない。しかし、建物側からすれば屋上防水、外壁塗装、塗り床など領域ごとでなくトータルで保証してほしいとの要望が強まっており、また現場サイドでも総合仕上業化の中で、塗装と防水工事が複合的になされ業態の垣根がなくなってきているのが実態。 ダイフレックスではこうした機運にいち早く反応し、シーリング材メーカーとの業務提携、米・塗り床材メーカーの買収などコンストラクションケミカルカンパニーへの地歩を固めてきた。 今回、外装材の有力メーカー・恒和化学工業をグループに加えたことで、市場ニーズにマッチした包括的な対応力が強化されることになった。
コンストラクションケミカルを推進する中で、実は以前から業務提携ができないかなどの話し合いを恒和とは持っていた。突然の民事再生の申し立てにより支援要請に替わった訳だが、事業領域の融合化で両社にとってシナジーが見込めることから支援を即決。再生の中で事業譲渡の申し入れがあり、関係者のご理解を得て昨年12月に譲渡契約を締結した。既に確立している「ダイヤ」ブランドを有効的に活用するためにも別会社として事業を継承した方が良いとの判断から新会社としての恒和化学工業設立に至った。この間約4カ月、民事再生というマイナスイメージの時間が長いとブランド価値が劣化し、社員の士気も下がる。とにかくスピードを持って対応してきた。
製品(技術)、製造、流通、人材のすべてにおいてシナジーが期待できる。製品・技術に関して恒和は優れたシーズを有している。ポピュラーな製品以外にも、例えばコンクリート保護工法など優秀な技術を抱えているにもかかわらず、それがうまく生かされていなかった。またダイフレックスはウレタンを主体とした有機化学だが、恒和は無機化学・エマルションという領域で長年積み上げてきたノウハウがあり、互いの技術を融合、補完することで独自性、競争力に優れた製品開発に期待が持てる。 このことは人材についても言える。旧恒和化学の6分の5に当たる約160名の社員が移籍してくれたが、営業に関して言えば防水、塗装の互いの情報やノウハウを共有することで、パワーは間違いなく向上する。加えて、当社が得意とする提案営業や指定営業といった機敏なフットワークを身につけてもらえば、競争力は更に高まる。既に技術部門や営業所では机を並べて業務に当たっており、密接な交流がスタートしている。また製造に関しては、塗料メーカー特有なのかもしれないが、調色や塗り板の作成にかなりの人員を割いており、ロスがあった。機械化による効率化など、この辺の改善にも着手していきたい。
新社長と常務が全国約200社の販売店様にあいさつで訪問したが、90%以上のお客様から『恒和さんは良い材料を持っているのだから頑張ってほしい』など期待の声をいただき、力強く感じている。お客様に役立つ、存在価値のある企業にしていくべく、気を引き締めている。恒和の製品を扱うことがメリットになるようなかたちを創出し、顧客に還元していきたい。
製品や技術開発力で決して引けはとらないが、他社の後追いをするのでは新会社設立の意味がない。コンストラクションケミカルという他社とは違った方向性でアプローチし、差別化を図っていく。施工サイドにおける塗装と防水の融合、更に診断から保証まで窓口を一本化した総合的な対応力を間違いなく市場は求めている。そうしたニーズに先鞭をつけることで、グループに対する市場での存在価値が高まるものと確信している。更に防水の機能性技術と外装のデコレーションを融合した高い次元の「機能性外装材」を開発し、製品面での差別化も図っていく。発足して約3カ月、現在はまだ助走段階だが、市場での存在価値を示せるようスピードを持って取り組んでいく。
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