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2007年07月10日
じわり「塗装案内人=ペイント・コンシェルジュ」浸透へ 壁の色、生活者と共感コラボ
ハウスメーカーのモデルルームでペイントした壁が露出し始めたのは4-5年前。かつてはビニルクロスを張るのが当たり前の世界にペイント壁は異質のもの扱い。「全く相手にされないどころか、すぐコストということになる」(安全塗料・溝口一成社長)。 溝口氏は生活者にペイントした色の素晴らしさを分かってもらうためには、ハウスメーカーでの採用が近道と考えた。しかしコストと工期の壁は予想以上に厚く、くじけそうになったことも。
だがそんな状況が変わり始めたのは生活者の意識変化。それまでサイレントマジョリティであった消費者が声を挙げはじめたのだ。インターネット利用の日常化で手の届かないものや情報へのアクセスが容易になったことも背景にあり、壁の色へのアクセスが全国的に拡大する傾向。これは日本塗料工業会が開設している色彩サイトへの飛躍的なアクセス拡大が証明している。
国内最大規模の住宅展示場のモデルルームの内装壁の仕上げの大半にペイントが採用されたのは1年ほど前。また再上陸で話題となったイケアが住宅シーン別の壁にペイントカラーを全面採用し「この色のペイントはどこで買えばいいの」との問い合わせが殺到したのもつい最近のこと。 生活者視点から壁の色への関心は着実に高まる傾向にある。「数年前にはインテリアの世界にペイントという選択肢はなかった」(インテリア産業協会担当者)のが様変わり。「ペイント業界との連携が不可欠」(同)と認識も大きく変化した。
一見追い風が吹いているようだが、生活者ニーズをストレートに反映する動きにはなっていない。構造的な阻害要因が立ちふさがっているためだ。せっかくモデルルームを見てペイント仕上げの良さを生活者が認識しても、展示場のセールスマンは塗料・塗装に関する説明能力が欠如しているため、面倒なペイントカラーの説明を省く傾向にあり、結局ビニルクロスの壁が決まるケースが続出している。この傾向はビルダーを含め建設業界で定着し、「ペイントはコストが問題」というのがこの業界での常識となっている。
しかしいったん目覚めた生活者の壁の色への関心は、衰えるどころか着実に高まりを見せている。住空間のイメージを左右する壁の色は単なる趣味追求のニーズではない。環境や安全・健康指向とも絡まり、生きるための空間としての在り方が模索されている。できあいのビニルクロスが否定されてくるのは当然の流れなのだ。 こうした生活者ニーズを受け皿として今最も期待されているのが「ペイント・コンシェルジュ(塗装案内人)」の動き。制度として確立されているわけではないが、カラーワークスが5-6年前から塗装職人と生活者とのコラボで壁の色を仕上げるシステムを構築。住空間に職人が入って、生活者に塗装指導し、インストラクター料を得る方式。「ペイントをやりたいと思っている人は意外に多い。しかしきっかけがないので背中を少し押してあげる必要がある」(カラーワークス・秋山千恵美氏)として始めた。
日本ペイント・カラモニーは「男を上げる」キャンペーンとして導入。リタイアする団塊世代の家族への貢献として塗装指導から足場架設までトータルセットで展開。それなりの手応えをつかんでいる。 この動きは全国的に波及し、地方のケースでは塗装業者自らが提案し、生活者とコラボ、生活者のイメージする壁の色を作り込む「共感ビジネス」として浸透しつつある。ペイント・コンシェルジュは「もっとペイントのことを知りたい」との生活者ニーズとつながる可能性をはらんでいる。(芹沢)
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