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2007年07月11日

マーケット:国内  法規・法務  環境

東京都、自然塗料のF☆☆☆☆違反を指摘 日塗工は自主管理要領厳格化

東京都は自然塗料7製品の商品テストを実施し、その内ホルムアルデヒド放散等級F☆☆☆☆の表示をしている2製品について規定レベルを超える結果が出たと発表した。これを受け、日本塗料工業会(小林正受会長)はホルムアルデヒド自主管理要綱の改定を実施。新たに「天然系塗料」の分類を設けるとともに、自然塗料を保有するメーカーに対してラベル表示の改善など注意喚起を行った。

東京都はかねてより消費者への情報提供を主眼とした商品テストを実施している。今回自然塗料が対象となったきっかけは、「自然塗料が乾燥中に植物性油中の成分が化学変化を起こすことで、もともとは含まれていないホルムアルデヒドを発生する事実について消費者に十分な情報提供がされていない」というのがその理由。外部情報によるものでななく、「自然イコール安全という商品イメージが先行していることを懸念した」(東京都担当者)と都自らの判断で実施したと説明する。

東京都は平成18年11月、ホームセンターで自然塗料7製品を購入。外部の公的検査機関に委託し、デシケーター法による試験法を用い、ホルムアルデヒド放散量の分析を行った。 その結果、ホルムアルデヒド放散等級F☆☆☆☆に相当したのは1商品、F☆☆☆相当が1商品で、残りの5商品はF☆☆相当という結果となった。さらに5製品の内、2商品についてはF☆☆☆☆表示をしており、分析結果と異なっていることが判明。該当の2商品が日本塗料工業会の自主管理登録商品であったため、東京都は日塗工に事実確認を行う事態となった。

これを受け、日塗工が調べたところ試験登録時の塗装仕様書に記載されている塗布量が商品のラベルに表示されている塗布量より少ないことが判明。東京都は商品ラベルに記載されている塗布量に従ってテスト実施したため、塗装仕様書の塗布量より多く塗布した。東京都は「一般的に塗装仕様書は家庭用の商品に添付されるものではなく、消費者に正確で十分な情報が提供されていない」と日塗工に対し、自主管理の適正運用を要望。また併せて自然塗料の塗装中、塗装後の換気に注意する必要があるなど、消費者への情報開示に努めることを要望した。該当製品については、商品テストの実施中に既に登録の廃止、また製品の回収及び表示の改善が図られていたことから、商品名や製造者名は非公表にすると判断。「不当景品類及び不当表示防止法」に基づき、口頭注意にとどめる結果となった。

事態を重く受け止めた日塗工は自然塗料について「天然の素材を使用するといっても、必ずしも安全であるとは限らず、塗装し硬化乾燥するときに化学反応を起こし、シックハウスの原因となるといわれているホルムアルデヒドが微量だが発生するものがある」などを盛り込んだ自然塗料の特徴をホームページで通知。また自主管理要領の改定の実施や商品の表示などに関する改善を各社に要請した。

自主管理要領の改定については、自然塗料及び油性塗料で自主管理登録をしている企業に対し1)「その他」の分類に登録している自然塗料2)油性塗料などは新たに設けた「天然系塗料」の分類に移行する。天然系塗料とは亜麻仁油、ひまわり油、桐油などの天然油脂を配合した塗料とする3)「天然系塗料」と区分された塗料に関しては、各位でデータなどを再確認の上、再度登録が必要と判断された商品に関して、再申請を行う4)再申請に当たっては、申請商品の全数について、第3者機関での分析が必要5)登録廃止を決定した会社は廃止届けを提出。5月31日までに届けがない場合は自動的に廃止手続きをするなどを盛り込んだ通達を行った。また天然系塗料の分類に該当しない「その他」の製品ついては、天然系塗料でないことの証明をする義務がある。 当然、天然系塗料を保有するメーカーは対応を迫られている。現時点では、1)告示対象外製品として販売2)再審査を経てF☆☆☆☆の継続3)既存F☆☆☆☆製品の返上と大きく3つの対応に分かれると見られる。

経産省、発火事故を公表 経済産業省は5月28日付で塗料が原因によるとみられる自然発火事故が起こったことを発表した。 同省は消費生活品製品安全法第35条第1項の規定に基づき報告のあった重大事故について公表。原因の特定できない事故として、塗料による下記の事故2件について報告した。

1)事故発生日5月13日山口県:1つは倉庫の一部を焼損する火災が発生。発火元付近には塗料の染み込んだウエス(ぼろ布)が保管されていた。原因を調査中2)事故発生日5月関東地域:作業現場に塗料のふき取りに使ったウエス(ぼろ布)を麻袋に入れて保管していたところ、発火し現場が焼損した。現在原因を調査中としている。 まだ原因は調査中ながらも、いずれも塗料の染み込んだウエスの保管によって発火したことが想定されるため、日塗工は経済産業省から当該塗料の発火事故の未然防止に向け再点検するよう要請を受けた。

これを受け日塗工は、会員各社に対し、自然塗料・油性塗料等酸化重合形塗料のうち自然発火の可能性のある塗料には一般消費者向けに、ラベル、カタログ、使用説明書及びホームページなどにおいて、「自然発火に関する注意書き(染み込んだウエスは自然発火の恐れがあります。使用したウエスは、必ず焼却するか、水の入った容器に入れて処理してください)」との旨の表記を目立つように記載し、消費者などに周知徹底を図るようにとの通達を行った。これについては従来からほぼ全メーカーが同様の注意喚起を商品ラベルに表示している。

今回の事故の公表は、東京都の指摘も合わせて、より塗料と消費者の距離が近くなっていることをうかがわせる。安全情報、適切な使用上の注意など、より消費者の立場に立った情報開示の重要性が浮き彫りになった。


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