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2007年08月01日
ケミカル建材メーカーへ脱却 エスケー化研 2015年売上1,000億円
建築塗料・仕上塗材市場は大手の総合塗料メーカーに対し、専門メーカーが競合する構図にあったが、バブル崩壊後の建設業界の再編を受けるとともに、成長分野であったリフォーム需要の減退など厳しい市場環境にあった。特に需要の70%超を占める改修に関わる需要は需要減と悪徳リフォームなどによる信頼性の失墜というダブルパンチで、メーカー各社は軒並み売上低迷を強いられた。
こうした中で各社は売上拡大から利益重視の路線に転換。価格競争による利益率の低下に歯止めをかける方向に走った。いわば商品アイテムごとに収益性を見極め、選択と集中を進めた。しかし大手メーカーにとってはこの政策は売上が伸び悩む中で収益性を確保する効果を生んだものの、専門メーカーや中堅メーカーにとってはむしろ販売パワーの減退につながり、マイナス効果となったケースが目立つ。
エスケー化研のとった戦略はこれとは全く逆の方向であった。他社の追随を許さない幅広い品揃えによる商品力の強化、加えて従業員約1,400人(連結ベース)のマンパワーの向上。つまり選択と集中より汎用から高級グレードまでの商品体系の底上げと市場に密着した営業活動の徹底であった。
当然この方向にはリスクが伴う。同社の人件費を含む販売管理比率はじわり上がる傾向にある。また原材料費の高騰に対し製品値上げをしない姿勢を貫く。こうしたコスト要因を吸収しているのが生産から販売までのサプライチェーンによる合理化対策。同社は基本的に地域エリア(市場)ごとに専用工場体制を敷き、横持ち運賃やストックコストを抑制できる仕組みがある。
しかし注目されるのは市場への積極的な対応力。国内の人員も1,000人近くに増やすなど、マンパワーを一貫して拡充。競合他社が選択と集中とともに人員漸減をしたのとは好対照。「むしろ今が最大のチャンス」(藤井社長)とばかりに営業力の強化を図ったのだ。
また同社が進めている拠点のリストラクチャリングが徐々に効果を発揮しつつある。毎年数箇所の拠点のロケーションを変え、ストック機能の拡充、調色の自動化、サンプルを展示できるショールームやカラーシミュレーションの配備など、拠点の自己完結性を高め、サービス力の向上を図ってきた。即効性は少ないものの、塗料販売店や施工業者への対応は「どこよりも速い」(塗料ディーラー)とサービス品質の評価につながっている。
過去5年間の売上推移ではかつてのような常に2ケタ成長といった拡大路線は影を薄くしている。売上は2007年3月期でこそ14.1%増となったものの、8%台ないし3%台とやや減速。しかもコスト要因から2006年度は経常利益、営業利益が減益となるなど、既存分野の市場縮小は同社にも大きな打撃となっている。
戦略の成否を左右する商品戦略にしても"超低汚染シリーズ"以降、次の看板コンセプトに欠け、意匠性塗材や特殊塗料の好調が下支えしてはいるものの、今一歩インパクトに欠けていることは否めない。
創業50周年を機に同社は塗料・塗材からケミカル建材へと事業領域の拡大にシフト。「既存分野では大きな成長を望めないが、シェア拡大のため新製品を投入していく」(藤井社長)。それとは別にケミカル建材を新たに投入し、市場を創造していく姿勢を鮮明にする。
既存分野においては"超・超低汚染シリーズ"を近くラインアップする他、施工を取り込んだ材工一体の展開を強化する。ケミカル建材については「生産技術から独自のものを構築し、新規性のある乾式建材を開発、投入していく」とコメント。具体的には内装市場に改めて挑戦する。
「壁紙はOEM供給のスタンスで行って撤退した経験がある。今回は今の壁装材にはない製品を開発、これを製造する生産技術を併せて創造し、自前のチャンネルで市場を創っていく方向で具体化したい」(藤井社長)と第2創業期の企業ビジョンは明確に描かれているようだ。
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