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2007年08月03日
塗膜形成機能、現場力を発揮 オーウエル 人材育成が成長基盤
「オーウエルらしさ」が復活してきた。バブル崩壊以後、市場環境が激変する中で、売上至上主義はもろくも崩壊し、同社は事業の抜本的な再構築が求められていた。その基盤に据えたのが人づくりであった。 オーウエルらしい人材とは何か。同社はTQC導入からPDCAの伝統が根付いていたが、市場から求められる人材は「ものづくりの高度化に対応できる能力」(宮本社長)にあり、従来のレベルでは不十分。宮本社長はトップ就任と同時にマンパワー向上を最大のテーマとした。
そこで導入されたコンセプトが「塗膜形成プロセス機能」。コーティング分野では塗料メーカーをはじめ、設備機器メーカー、エンジニアリング会社など、ユーザーが求める最適塗膜を造り込むためには横断的な連携が必要になる。連携を円滑に進めかつ適確な情報の共有化のためにこそ「オーウエルの存在意義がある」と確信。ここで求められる人材が新たなオーウエルマンのビジョンとなった。 TQCによる品質管理の導入で先行した同社だが、画一的な標準化ではスピード感ある市場変化にはむしろマイナスとなる。しかもTQC世代から次の世代のためには独自のオーウエルスタンダードが不可欠。顧客志向のDNA(遺伝子)を新しいかたちで継承していくテーマが立ち上がった。
人材育成にはトップが率先するとともに全社員研修、階層別研修などを実施、徹底した顧客志向を末端にまで浸透させた。「これにはエンドがなく、手を緩めることなく、緊張感を持って継続する。あるレベルに達すると、必然的に次の目標レベルが見えてくる」(宮本社長)という。 同社の考える顧客志向はマーケットオリエンテーテッド(市場志向)と技術志向が三位一体化されている。特に"マーケットセンス(感性)"を重視。センスには敏感に感知する面とともに、方向を示すとの意味がある。
塗料事業はコスト優先市場の中で、どこまで塗膜形成機能を発揮させることができるのか、コストと対応力と収益確保の狭間に置かれる。しかし、ここ数年フォローの風が強まっている。それがユーザーの高度化ニーズだ。 国内の製造業はグローバル深化に伴って、海外で製造できない高度化技術によるモノづくりが拡大。そこには高度化技術要素に加え、環境と生産性の両立といった課題も絡む。その受け皿となるのが同社のR&Dセンター。塗膜形成プロセスに関る実証ができる設備の他、同社の蓄積したノウハウにより開発したシミュレーションシステムが高度化ニーズに応える。「ここ1-2年はR&Dセンターはフル稼働」(担当者)。
化成品事業は自動車の電装化に伴って、扱っている電子部品が伸張し、売上増加に大きく寄与。売上の20%を超えた。電気・電子部品事業は光学加工品の販売が伸びた。化成品と合わせると売上の34.3%を占め、塗料事業に並ぶ柱に成長した。 同社は平成19年度から21年度までの中期経営計画をスタート。そのビジョンとして1)顧客に役立つ、卓越した塗膜形成企業になる2)顧客に役立つ、新商品の開発3)提供企業になる高い経営品質の企業になるを掲げる。
ビジョンを具体化するのは「現場力」と宮本社長は言い切る。「現場こそシーズもニーズもある。顧客の"こうしたい、こうであったらいい"といった気持ちが現場にはにじみ出る。これを感じる感性と行動していく能力が目標達成の根本」。 同社は約3,000社から製品を仕入れ、同じく約3,000社の顧客に供給する立場にある。いわばモノづくりの縮図の中にあってチャンスは目の前にある。顧客の期待以上のサービスができる人材育成のため、自律型人材をオーウエルマンの目標とする。
また新中計ではグローバル展開に大きく踏み出す。中国・広州、ベトナム・ホーチミン市、韓国・京畿道水原市に事務所を開設。海外事業においても現場力を優先させるスタイルを貫き、「国内と同水準の塗膜形成機能を海外市場に定着させていく」(宮本社長)。
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