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2007年09月03日

マーケット:海外  企業動向

イサム、タイ・TOAと合弁設立 5年後に自補シェア25%目指す

イサム塗料(社長・塩﨑征二氏)は、タイ最大手の塗料メーカー、TOAペイントと合弁会社を設立し、自動車補修用塗料の現地生産を始める。これまでスリランカ、インドネシアのローカル塗料メーカーと技術提携を結んでいたが、海外での現地生産は初。国内需要が縮小を続ける中で、アジア、ヨーロッパとグローバル展開に意欲を見せるTOAとの合弁は新たな展開へ踏み出す契機となりそうだ。

新会社の名称は、TOA-ISM Paint(THAILAND)。資本金は1.2億バーツでTOAが55%、イサム塗料が45%を出資する。工場はバンコク郊外のバンナトラットにあるTOA社の工場敷地に拠点を構え、当初の生産能力は年産400トン。新会社の社長にはTOAグループ総裁のPrachak Tangkaravakoon氏の子息であるNattavuth Tangkaravakoon氏が就任する。新会社の設立は8月末、業務開始は11月末を予定している。


TOAは元々、自補修分野においてはデュポンと20年来提携関係にあったが、昨年提携関係を解消。新たなパートナーとしてイサム塗料に白羽の矢が立った。「過去に何度か提携を持ちかけられたことがあった」(塩﨑社長)が、これまで提携関係の締結には至らなかった。しかし、旧交を温めていたことが今回の両社の合弁設立の背景にある。
当初、イサム塗料はタイにおいてもスリランカ、インドネシアと同様に、日本からペーストを送り、現地で最終加工する方式を先方に提案していたという。しかしTOAはPrachak氏の息子であるNattavuth氏を責任者にするなど、合弁設立による自補修分野拡大に強い意欲を見せていたことからイサム塗料がそれに応じる形となった。


イサム塗料のタイ展開に関しては、先行して販売会社を通して供給している。そのため販売会社はこれまで通り輸入代理店としてイサムブランドを販売し、新会社では新ブランドとして販売することで棲み分けを図る。
TOAはトウペをはじめ、船舶塗料では中国塗料、木工塗料ではユニオンペイント、電着塗料では神東塗料と日系塗料メーカーと提携関係を築くことで、業容の拡大に結びつけてきた経緯がある。特に自動車分野では国内自動車メーカーがタイへの進出や設備投資を積極化させており、自補修分野においても日系企業が強みになるとの思惑がある。そのためTOAにとってイサム塗料は、自補修専業メーカーとして下塗りから上塗りまで一貫した製品ラインを有していること、また水系システムをいち早く揃えるといった技術力から評価の対象となった。


一方、イサム塗料側もタイのみならずアジア各国に販売ネットワークを有するTOA社との提携は、グローバル展開に拍車をかける契機となる。「当社はユーザーサポートを強みに需要を確保してきたが、資本家がBP経営をする海外では国内同様の営業スタイルが合致するか難しいものがある」(塩﨑社長)と海外展開においては現地企業をパートナーにすることが最適と判断した。そういう意味で今回の提携は双方のニーズが合致した結果といえる。
またイサム塗料は、かつてインパネなど自動車の内装分野にプラスチック用塗料を販売してきた実績を持つ。国内では自補修分野の販売拡大に弾みがついたことから、プラスチック用塗料については一線から退いているが「タイでは自補修向けだけではなく、自動車部品関係などにも広げていきたい」(塩﨑社長)と国内同様、工業用分野への拡大も視野に入れる。


国内では自補修塗料市場4位のイサム塗料。ここ数年、売上、利益とも漸減傾向にあり、自補修分野の低迷を工業用分野及び建築用分野で補う形が続いている。更に昨年はPPGと提携を解消し、大きな打撃を被ると予想されたが、特約店との強固な関係を基盤に1Kベースコート「アクロベース」の拡販が寄与するなど、提携解消による影響を回避した。
内需拡大と工場の稼働率向上が課題となっている同社にとって、今回の合弁設立は新たな機軸を見出す契機にしたいとの期待がある。


新会社は2-3年後には中国での現地工場設立の計画を打ち出すなど、アジア、ヨーロッパへの展開を含め設立当初からグローバル展開を見据えている。塩崎社長は「韓国でもタイでも大陸にある企業は最初から自国を超え国外に出る計画を持っている。ここ数年で更にその流れは加速している」と改めて流れの変化を強調する。
新会社では当面、いち早く顧客獲得につなげるため日本から製品を輸入し、新会社のブランドとして詰め替えて販売していく予定。またそれと並行する形で、クリヤー塗料及び硬化剤については現地生産に切り替える計画。現在、海外に拠点を持つ日系原材料メーカーなどと原料調達に関し準備を進めている段階にある。


現在タイの自動車保有台数は約800万台で、自動車補修用塗料市場は約150億円規模と見込まれる。
各塗料メーカーのタイにおける販売シェア(推計)はデュポン30%、日本ペイント14%、アクゾノーベル9%、関西ペイント7%。
その中で新会社は5年後に25%のシェア獲得と強気の姿勢を打ち出し、トップに迫りたい意向。


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