ニュース
2007年10月04日
116万トン 26カ国・155拠点に進出 海外生産 数年後、内外逆転の可能性
日本塗料工業会(会長・小林正受氏)が会員83社を対象にした「平成18年日本の塗料メーカーの海外生産量」調査によると、トータルで前年比13.3%増の116万6,967トンとなり、調査を始めた90年(平成2年)の18万7,634トンに比べ6.2倍に拡大した。過去5年の伸長率はいずれも2ケタの伸びを記録しており、この勢いが続けば3年後あたりには200万トンの大台を超え、平成18年の国内生産を上回り、内外逆転する可能性が高い。
これに伴い現地企業数で見た海外拠点数も増加の一途をたどっている。04年134拠点、05年145拠点、06年には155拠点となり、進出企業31社の平均拠点数は5社。進出先の国は前年より3カ国増え26カ国に達した。グローバルネットワーク化の本格化がうかがえる。 海外生産の中核は中国マーケット。中国における生産は過去5年間で飛躍的に増大した。02年の中国への進出企業は26社であったが、04年39社、05年48社、06年には51社に達し、日塗工会員のほぼ半数が中国に生産拠点を設けたことになる。
中国での生産も文字通りうなぎ上りの傾向が続く。02年に25万トン台だったものが06年には59万トン台と約2.3倍に増大。国別の生産量割合では50.6%と過半を超えた。2番手の東南アジア23.6%を大きく引き離している。 それだけに中国の経済成長の急拡大は、北京オリンピック以降の「経済バブル崩壊」を危惧する声も強まっている。このため「一本調子の拡大基調がどこまで続くのか見極めが大事だが、長期的には中国経済は世界経済とリンクした成長が続く」との見方が支配的。
中国に比べ東南アジア市場は目立った生産の拡大がない。タイを中心に自動車・工業用塗料の生産は増加しているが、この地域は欧米のメジャー(大手塗料メーカー)の進出が早く、汎用市場で強いポジションを占めているため、工業用中心の日系メーカーとはスタンスの違いがある。しかし関西ペイントがマレーシアに建築用拠点を構えるなど、汎用市場拡大の動きを見せており、今後生産拡大のテンポが速まりそうだ。 インドを含むその他地域は海外生産の比重を着実に高めつつあり、「インドは中国に次ぐ巨大市場」との見方が定着。インドには2社の進出だが、数社が進出を予定するなど、グローバル展開の台風の目となってきた。インドの他、ブラジル、トルコ、メキシコには1社が進出。
中国拠点の現地化が進むに伴って、台湾、香港、韓国などでの生産が頭打ち傾向となっている。かつて台湾ルートを経由した中国市場への供給パターンも縮小傾向にある。欧米市場については自動車用の生産が中心だったが、日本ペイントが米国・ビーケミカルを完全子会社化したこともあって米国生産が前年比42.1%と大幅に増大し、6万6,440トンの過去最高の水準を記録した。 グローバル生産と同時に塗料輸出の伸びが続き、2006年度の塗料輸出は13万2,487トン(前年度比6.5%増)、金額ベースでは1,399億6,500万円(7.0%増)と過去最高。現地で調達できない原料を使った塗料に加え、現地で加工する生産スタイルがあるため、海外生産が国内工場の稼働率を支える構図が鮮明化。しかしいずれ現地化が進化すれば、国内拠点の再編問題が大きくクローズアップすることになる。既にある中堅メーカーは「国内拠点の統合も必要」との判断を下している。
★★★★★ニュースランキング
※1日一回データルームページで集計結果が更新されます。