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2007年11月29日
リスクマネジメントが前面に アスベスト対策環境展’07
日本石綿協会は05年7月、「アスベスト診断士登録制」を発足させた。既存建物に使用されているアスベストへの的確な対応が目的。3日間の養成研修を受け、試験合格者に終了証を発行。このアスベスト診断士は既に400人以上が登録。今年度は250人の診断士を養成する予定。資格は2年間で、更新によるスキルアップが義務付けられている。
今こうした専門知識を持つスタッフが全国から求められている。船井総合研究所の調べによると、建物の解体・改修はこれからが本番で、飛散アスベストは約1,600‐2,800億円、非飛散アスベストは約6兆6,000‐11兆5,500億円の市場規模が想定されると推計。
今後注目されるのは建物保有者の環境債務問題だという。環境リスクを持つ長期保有資産を将来発生する負債として計上する考え方。石綿を含有する建材が使われている建物を譲渡するには、残存石綿の除去費用をマイナス計上する必要がある他、不動産の証券化(デューデリジェンス)に伴う建物資産価値にも大きな影響を及ぼす。
一方石綿除去企業の淘汰が加速している。石綿対策には調査分析除去運搬中間処理最終処分の工程があり、各フローを一括して対応するコンサルティング力を発注者から問われるためだ。「安さ」よりも「安全」を最優先した企業が生き残る。
今回のアスベスト対策環境展は技術サービスコーナー、対策機器・装置コーナー、保護具・作業用機械・備品コーナー、代替材料・塗料・製品コーナーに分類され、関連主要企業が出展。業界からは大塚刷毛製造、好川産業、菊水化学工業などが出展した。
大塚刷毛はアスベスト関連の総合展示ではミドリ安全と双璧の総合的なシステムをアピール。ミドリ安全がゼネコンや工務店ルートに強いのに対し、大塚刷毛は塗装・防水など専門工事ルートに太いパイプを持つ。
大塚刷毛の展示はコンプライアンスをキーにした環境・安全を重視した対策システムを展示。同社独自の仕様による機器類も目立つ。担当者は「ハード的な品揃えから、コンサルティングなどソフトを重視」と話す。展示品も調査や測定関連の充実が目を引く。
好川産業もこの分野への意欲を示し出展。アスベスト商材の総合的な品揃えを誇る。「市場はこれからが本番。そのための対応ができた」と担当者は自信の表情を見せる。
塗料メーカーとしては菊水化学工業が唯一の出展。企業コンソーシアムの形で出展し、産廃処理までのトータルシステムの一環として封じ込め剤などを展示していた。
東京都はこのほど「アスベスト成形板対策マニュアル」を作成。日本に輸入された1,000万トンを超える石綿の約90%が成形板など建材として使用されてきた実態を踏まえ、建物解体に伴う石綿被害から近隣住民を守るマニュアル。各種飛散防止対策を盛り込んだ。自治体が作成したマニュアルは今回が初めて。
アスベスト対策は05年のクボタショックで、その有害性が社会問題化して対策が進んだ。しかし石綿を含有する建物の解体・改修は2020年‐2030年にピークを迎える。更に石綿以外の繊維系建材なども規制の視野に入ってきており、社会問題の根は深い。この分野にビジネス優先のコンセプトを持ち込むことは危険で、「コンプライアンスが基点であり、事業コンセプトとしてもそれを貫く」(大塚刷毛)姿勢が求められている。
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