ニュース
2007年11月02日
レベルI、対策工事が激減 アスベスト問題 工作物まで規制へ
石綿に関する法律施行令などの改正は平成18年9月、10月に相次いで施行された。労働安全衛生法は同年9月1日付で、石綿などの製造を原則禁止、また石綿を0.1%以上含有するものを規制対象と定めた。
これに合わせて石綿障害予防規則が改正(18年9月1日施行)され、吹き付けられた石綿などの封じ込めまたは囲い込み作業の手順が定められた他、労働者の安全確保、作業記録などの40年間の保有など管理が厳しくなった。
一方、大気汚染防止法が改正(18年10月1日施行)され、建築物が「建築物その他の工作物」とされたことにより、工作物についても同等の作業基準を守る義務が発生。更に廃棄物処理法の改正(18年10月1日施行)で、工作物を廃石綿などの発生源に含め、断熱材及び耐火被覆材が含まれることを明確にした。
更に建築基準法施行令が改正(平成18年10月1日施行)され、衛生上有害物質として石綿を定め、増改築時に石綿の除去を義務付ける一方で、工作物を含め封じ込めや囲い込みの措置を許容するとしている。
これら一連の法改正によって、アスベスト問題は建築物から工作物までを含む幅広い対象が規制されることになり、0.1%以上の含有基準では「ほとんどの建材や機械・設備類が含まれる」(関係者)との指摘がある。例えば繊維状物質を含むユニットバス、スレート板、断熱材など。
しかし皮肉なことに法整備に反比例してアスベスト処理対策はトーンダウンしている実態がある。平成16年9月頃から、緊急を要する学校関係のアスベスト処理で一気に需要が盛り上がりを見せたものの、1年半余りで急激に需要が減少。「ゼロに近い地方からアスベスト処理業者が東京、大阪、名古屋などの大都市圏に集まり、仕事を奪い合っている状態」という。
特にアスベスト処理工事のピークは、石綿則が施行される平成17年7月1日以前に駆け込み需要があった同年3月あたり。同年6月にはクボタのアスベスト放散が社会問題化し、3‐7月にかけては防じんマスクの供給が追いつかないほど。
その後、平成18年3月あたりからはアスベスト関連の仕事量が激減、今年に入り「春頃から盛り返しを見せているが、レベルⅠの仕事は底ばい」と関係者は話す。その要因として、アスベストへの社会的関心が落ち着いてきていることに加え、自治体などが厳しい予算の中で学校施設を優先した対策が一巡したことなどがある。
その一方で民間の工場関係などでは休業日程に合わせたアスベスト対策をスケジュール化するケースが多く、工事が集中する傾向もある。またエアコンの設置に伴う工事でもアスベスト対策が義務付けられているが、設置費用をカバーできないことから、一部家電量販店が導入を始めた段階にある。
アスベスト処理には塗装・防水などの専門工事業者からゼネコンまでが参入。今後規制対象の広域化から解体業者、電気工事業者などの新規参入が活発化している。現状ではレベルIには塗装業からの出身組も目立っている。
工事の安全基準が厳しくなったことで、コンプライアンスとコストのギャップも広がる傾向にある。負圧コンプレッサーは月1回の点検が義務付けられているが、実施している例の方が少ない。ある調査によると負圧コンプレッサーのフィルター不備からのアスベスト粉のもれが日常化しているとの指摘もある。「作業員自体が集まりにくくなっている。アスベスト処理と聞いただけで拒否される」と人手を集めることも困難な状況も。
しかも今回増改築や大規模改修に伴う工事についても、大気汚染防止や廃棄物処理の観点から、アスベスト対策同等の対策が求められるようになった。今後PCB、鉛などの有害物質と並びアスベスト含有物質の規制が強化される方向にある。アスベスト問題は広汎な社会問題として深刻さを増している。当然、大規模改修に伴ってアスベスト対策が厳格化される可能性があり、コンプライアンスとコストとのせめぎ合いとなりそうだ。
※大塚刷毛製造はこのほどアスベスト対策専用サイト「アスベスト・プロ」を開設した。関連省庁からのガイドライン、新しい工法や機材、安全作業、各種セミナー情報など100頁以上の充実のコンテンツを掲載している。
URL http://www.asbestos-taisaku.jp
★★★★★ニュースランキング
※1日一回データルームページで集計結果が更新されます。